古舘伊知郎が生放送で圧巻の”実況芸”を披露
8月25日放送の「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)に、アナウンサー生活40年目を迎える古舘伊知郎が生放送のゲストで出演した。
18年ぶりの出演となった古舘は「12年間報道番組をやらせていただいておりましたので、拍手や笑いとかまだ『ウッ』て来ちゃうときがあります。(中略)こういうワァっとにぎやかな感じってのは、根が大好きなだけに『えっ!』てオロオロしたりします」と、3月までキャスターを務めていた「報道ステーション」(テレビ朝日系)のスタジオとはまるで違う空気に複雑な気持ちを言葉にした。
番組では生放送中に「古舘が司会で見たい番組は、報道かバラエティーかどっち?」と視聴者アンケートを取った。73.5%の視聴者が「バラエティー」を選んだ結果を受け「いやーこれは寂しい! 50対50くらい拮抗して欲しかった。これじゃ(都知事選の)小池さんと鳥越さんみたいな感じだもん」と残念そうな古舘。「僕は両方やりたいんですよね、本音を言うと」と今後の活動へ意欲をみせた。
古舘は、中学の頃から聞きかじっていたというラジオ放送のきまり文句や番組名をまくしたて、全国朝日放送(現・テレビ朝日)に入社したその日にNET(日本教育テレビ)から社名が変更され「テレビ朝日アナウンサー1期生になったのを自慢した」という話など、40年のアナウンサー人生をつい最近の出来事かのようにサラリと振り返った。アナウンサーの先輩たちに出前の電話をするときですら滑舌の勉強をさせられ、普段自分が帰る道の途中でもひとりで実況しながら帰ったという古舘は、その実況シーンを再現。名人芸ともいえる見事なトークに古舘の大ファンだというMCの戸田恵子らは称賛の拍手を送った。
かつてスポーツ実況でアイルトン・セナを「音速の貴公子」と表した古舘が、水泳の北島康介を「西日暮里の河童伝説」と言った。それを北島本人は「『古舘さん、おれ河童じゃないし』なんて言ってたんだけど、何回もしつこく重ねるうちに『うん、おれ河童な気がする』って自分でも。流行る言葉や曲っていうのは、初め違和感があるくらいの方がいい。恋愛と同じです」と、本人からも実況フレーズを認められたエピソードなどを語った。
通常のトークゲストの倍以上はしゃべっていたのではないかというような、「すべらない話」連発の生放送となった。