「ON」原作者の内藤了『その要素があったとは』
9月6日(火)夜10時から、フジテレビ系で「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」の最終話が放送される。放送を前に、原作者・内藤了からコメントが寄せられた。
――これまでの放送を振り返って感想をお聞かせください。
小説と映像、見せ方の違いはもちろんありますが、それでもスタッフの皆さんがあえて小説的な表現をドラマに持ち込んだ挑戦作であったことが、何よりありがたかったです。
一視聴者としては、とても難しいテーマに挑戦しているなと感じました。反面、映像にメリハリがあって、視聴者参加型ドラマとでも言えばいいのか、怖いのに文化祭みたいなノリもある、新しい形のドラマだと思いました。
――印象に残った回やシーンはありますか?
第5話で、比奈子(波瑠)が猟奇自殺を仕掛けたのが中島先生(林遣都)だと気付き、相対するシーンでしょうか。原作とは真逆の設定ながら、中島先生の「自分を救ってほしい」という欲求と、「比奈子を救わなければならない」というギリギリの葛藤が描かれていて見事でした。
――波瑠さん演じる比奈子をはじめ、登場人物についてはいかがでしたか?
ドラマの設定の比奈子は波瑠さんにピッタリでした。どこか迷子のような雰囲気を漂わせて、とても良かったです。
さらに、今回一番勉強になったことは東海林先輩(横山裕)や中島先生にも反響があったことです。萌え要素は必要で大切だと思うのですが、よもや「ON」にその要素があったとは思いもしませんでした(笑)。
――最終話について視聴者にメッセージをお願いします。
凄惨(せいさん)な事件が起きるたびに私たちは心を痛め、「なぜ?」と自分に問い掛けます。答えを安易に出すことはできないけれど、考え続けることならできる。
境界線上にいる比奈子は、あなたでもあり、私でもある。比奈子が永久(芦名星)にどう答えるかはもちろんですが、その答えがあなたや私にどう影響するのかを感じてもらえたら、本当にうれしいです。
9月6日(火)夜10:00-10:54
フジテレビ系で放送