俳優・蟹江一平と敏腕女性Pが語る、希美まゆの音楽性【特別インタビュー後編】
セクシー女優・希美まゆと、“歌うま”俳優・蟹江一平、“みるじぇね”プロデューサー・牛頭(ごず)めぐみのインタビュー後編。【インタビュー前編はhttps://thetv.jp/news/detail/99187/】
――蟹江さん、希美さんの楽曲で好きな曲は何ですか?
蟹江:楽曲レビューしちゃいましょうか!(笑) 希美さんのアルバム「R.s」の1曲目「ラブレター」からめちゃくちゃかっこいいんですよ。アヴリル・ラヴィーンみたいな世界観だなって。さっき田舎っぽさの話をしましたが(※前編に掲載)、この曲はまさに、カントリーから来た子が、歌と負けず嫌いな気持ちだけで都会に来るんだけど、大都会の片隅で大切な人に手紙を書きながら「結局田舎にいる自分のまんまだ」って感じてるみたいな。
(おもむろに持参したギターとタブレットをセッティングし始める蟹江)
希美:(タブレットを見て)あ、それ鏡じゃないんだ!
蟹江:そんなナルシストじゃないですよ!(笑)
希美:弾くときに鏡が必要なのかなって思ってた…。
(タブレットには耳コピしてきた手書きの楽譜が入ってました)
蟹江:じゃあ、ちょっと一緒に歌ってみましょうか…? 一個一個の言葉自体は本当にこねくり回さないシンプルな言葉ですよね。それでメロディーは「F#m」っていう、こんな暗い音から始まるんですよ。
――いきなりの即興ライブ、「ラブレター」! 役得です…。
蟹江:展開がすごくいいんですよね。Bメロからの歌詞がすごく好きで。
希美:すごい、うれし過ぎる…。私もそのあたり好きです!
蟹江:Bメロからサビにつながるメロディーもいいよね! 「希美まゆの楽曲を語るオフ会」みたいになってきましたけども(笑)。陰りのある甘い声がマイナーな音になった時すごく切ないよね。サビで一見明るくなるんだけど、また沈んだ音になっていく。女の子の情緒不安定な思いをシンプルな言葉でつづった名曲です。
牛頭:これ、詞を先に作ってもらったんです。希美さんに書いてもらったものをほとんどいじらずに使ったんですよ。
希美:チープかなって思ってたけど、ストレートな方が分かりやすくて良かったですかね…。
蟹江:シンプルな言葉ほど自分に投影しやすくて、それをじわじわ自分の心の中で育てていくんです。僕はそれをラジオで語って、いつもは5分くらいなのに10分くらい話して、ディレクターの「終わり!」って声も無視して。でも希美さんのことを知らないリスナーさんからも「声がきれいですね」って意見が届いたりして。そうやって花開いていくんだと思います。
――愛が熱いですね…。希美さん、ここまでの蟹江さんの愛どう受け止められました?
希美:一人だったらもう号泣してます。もう泣きそうです、今、うれしい…。
蟹江:希美さん、泣いてもいいんですよ!
希美:幸せです。こんなに褒められて照れちゃうけど。
蟹江:2曲目の「声」もすごいんですよ。基本「F#」「A」「E」だけなんですよ。3つのコードしか使ってなくて、それでめっちゃ劇的なんです。
1曲目の終わりと2曲目の始めが同じコードなんですよね。続けて弾けちゃう。だから、この2曲が並んでると、(違和感なく)すーっと聴けちゃう。
牛頭:実はあまり意図してなかったんですけど、今言われてそうだって気付きました。これも希美さんが曲順を考えて、コードとか分からないはずなのに、聴き心地がいいっていうことで。
蟹江:彼女天才なんですよ!
希美:いやいやそんな…でも今日すごく楽しい!
蟹江:このオフ会、大成功ですね(笑)。じゃあもう1回歌いましょうか!
――いきなりの即興ライブ、「ラブレター」(2回目)、とそして続けて「声」も…!
蟹江:希美さん、2人でライブやろう! アコギとボーカルだけでやるのも、めちゃくちゃかっこいいと思う。
希美:やりたい…!
牛頭:今聴いてて泣きそうになっちゃいました…。この「声」という曲は、私が希美さんに歌ってほしいと思って作った曲で、シンプルだけどダークな感じで、詞も私がリクエストして作家さんに作ってもらいました。「この声が繋がって誰か受け取るその日まで」という歌詞があるのですが、それを今遠くで蟹江さんが受け取って、歌で繋がって、一緒に歌っているというこの状況…。こんな日が来るんだなぁと感動しちゃいました。
蟹江:ちょっともう1曲やりたいのがあって…練習して来たんです。11月のライブで歌ってた天野月子さんの「ダンデライオン」。じゃあ希美さん、歌いましょう!!
――これはぜひお2人のライブ実現してほしいですね。
蟹江:今日の“部屋リハ”だけで完成してしまいましたね。
希美:カラオケ行きたくなっちゃいました。楽しい…!
――希美さんのその他の曲はレビューしておかなくて大丈夫ですか?(笑)
蟹江:じゃあアルバムの他の曲の話も…「ひかり」って最初はたどたどしかったよね。
希美:難しかったです…。
蟹江:素朴な歌詞がいいよね。「魔術師の歌劇場」もアコギでやったら気持ちいいだろうね。あと「その花ちぎれば」もいいし…。
希美:「その花ちぎれば」は歌うのに必死で、感情の込め方が特に難しいですね。
蟹江:ちょっとテンポ落としたらいいんじゃないかな。この曲は、希美さん自身の人生を投影してるようにも見えるし、ポップなメロディーに、はかない女心をのせた名曲だよね。
――蟹江さんがまるで、牛頭さんに続く敏腕プロデューサーのようです(笑)。では、今後の希美さんに期待すること、一緒にやりたいことってありますか?
蟹江:僕としては…希美さんの歌い手としての魅力を高い純度で、ファンの方はもちろんいろんな方にお見せするお手伝いをしたいです。希美さんはおしゃべりが得意な方ではないから僕がMCもやるし。突っ込んだり漫才感出しても面白く成立しそう。 “のんちゃん”(=希美)ファンの皆さんが笑顔で、そして泣いてるのが見えますね!
牛頭:音楽好きでたくさんライブも見られている蟹江さんに、目にとめてもらって、幸せなことだなって思います。正直なところ、業界的なイメージもあって、先に進むのが難しい時もあるんですけど、ラジオで流していただいたこともありがたかったですし、これからもたくさんの人に届けていきたいですね。そして、知らない間に届いていたことがびっくりでした。時間をかけてこうして繋がることができました。届ける努力と同じくらい、続ける努力が大事だと改めて感じました。
蟹江:こんなに若い女性がやってるっていうのも面白いですよね。女の子がいっぱい来たらいいのにね。
牛頭:そうなんです。私自身もそういう風に興味を持ったところからプロデューサーとして関わるようになったんです。私が最初に受けた感動を伝えられるはずだと思っているので、女の子にもっと来てほしいですね。それと希美さんは、元々歌がうまかったのですが、ステージのスキルも上がってきて、自分なりに考えたりもしていて。希美さんはワンマンライブ打ち合わせで最初は「“ツイキャス”みたいな感じで気軽にやればいいのかな」って言ってましたけど、やっぱり段々「ワンマンライブ」をやることの意味を考え、私たちの気持ちも受け取って、逆に緊張しすぎちゃって…でも本番でグッとスイッチが入って、不安なんてもう全部忘れちゃったんだろうなって思えるくらい楽しんで歌っているのが伝わってきました。苦手なMCも自分の言葉でいっぱいしゃべって、希美さんとファンの方の愛であふれたいいライブになりましたね。一つ成長したというか…本当に親みたいな気分です。ワンマンはなんか嫁に出す気持ちになります(笑)。まだまだ伸びしろがあると思うのでもっと先にいけたらいいですね。
――希美さん、それでは今日の総括をお願いします!
希美:音楽好きな人とすごく話したいっていうのがあって、今日いろいろ話せてすごい幸せ…本当泣きそうです!
蟹江:希美さん、泣いていいんですよ!
希美:あとは、ワンマンライブの時も感じたことで、ファンの方、グッズを作ってくれる方、蟹江さんとか…今まで自分のこと考えてくれる人いないんじゃないかとも思ってたけど、私が思ってるよりも周りの人に愛されてるなってすごく実感させてもらいました。あ、あと言いたいことがあったんです! “歌うま”の時に歌われてた「木蘭の涙」(スターダスト・レビュー)、感情の込め方がすごくて、ここら辺(お腹のあたり)からぐわーってきました。それを言いたかったんです…。
蟹江:え~それ先に知ってたら、「僕の歌は合コンで磨かれました」みたいなこと言わなかったのに(笑)。
希美:感情こもってるのすごいと思う。めったにないけど本当鳥肌が立ちました…。
蟹江:ありがとうございます。
――希美さんと蟹江さん、並んでるとユニット感がすごくありますね。ユニット名どうしますか?
蟹江:実は俺ちょっと考えてきちゃったんだよね。
希美:気になる~…。
蟹江:割とシンプルにいこうかなって。だいたいユニットって名前を掛け合わせるじゃないですか。「希」からとった「き」と、「一平(いっぺい)」で…「きっぺい」っていう…。
希美:きっぺい!? ナシではない…。
蟹江:あれ、ダサいかな…ユニットライブ実現するまでにもうちょっと考えようかな!(笑)