昨年の11月に東京・国立演芸場を皮切りに福岡、名古屋、札幌、横浜での5会場で「ナイツ独演会 この山吹色の下着」を行ったナイツ。その独演会の最終公演(横浜にぎわい座)の様子を収めたDVDが、2月15日に発売された。発売前に、塙宣之と土屋伸之にDVDの見どころや二人の漫才によく名前が出てくる内海桂子師匠について語ってもらった。
――今回の独演会も変わったタイトルですが、これは桂子師匠のTwitterから引用されたそうですが、本当ですか?
塙:はい。桂子師匠のツイートから引用しました。’13年に開催した独演会「主は今来て今帰る。」、’15年の「顎を引いて頑張れ。」、そして昨年と(独演会のタイトルに)師匠のツイートを引用しています。
――師匠のツイートを引用しようと思ったきっかけは何だったんですか?
塙:師匠の言葉って、タイトルっぽく使えそうだと思ったからです。
――引用について、師匠は何かおっしゃっていましたか?
塙:「ふざけんなっ!」と言っていました。
土屋:冗談です(笑)。多分、(引用を)知らないと思います。自分がこの言葉を言ったことも、覚えていないと思います。
――お二人にとって、師匠はどんな存在ですか? 日頃、師匠はお二人の漫才について何か言われますか?
塙:相撲でいうと、稀勢(きせ)の里にとっての鳴門(なると)親方みたいな感じですね。僕らは桂子師匠が(内海)好江師匠とコンビを組んでいた時代を知らなくて、桂子師匠が一人になってからこの世界に入ったんです。浅草の世界に入った時に桂子師匠の一門になったので、(桂子師匠の)ネタが好きとか、師匠のボケに憧れてとかいう理由で入ったわけではないんです。そういう意味では、どちらかというと浅草漫才協会のしきたりなどを教えてもらった師匠という感じですね。「漫才師とはこうあるべきだ」とか、「ちゃんとしたおそろいのスーツを買いなさい」とか、「言葉遣いに気を付けなさい」とか…。僕らのネタは、ほとんど見ていないですね。
土屋:「私はこうしてきたよ」って話はよく聞くので、それはすごく参考にしています。働く姿勢とか、すごいと思いますね。いくつになっても「私を使え!」とか、「私をネタにして!」とか、「私を引っ張り出せ!」とか「舞台に呼んでくれ!」とか…。「どんどん働きたいから、仕事をくれ!」みたいなことを幾つになってもおっしゃいますし、舞台に上がりたいから頼んでもいないのに来て10~20分しゃべっちゃうくらいネタが好きなので、それはすごいなと思いますね。ネタに関しては、とやかく言わないです。
――お二人がこれまで約17年漫才をされてきて、影響を受けた漫才師はいらっしゃいますか?
塙:カミナリですね(笑)。茨城出身の…。
土屋:多分、それボケだと思います。カミナリってボケです(苦笑)。
――DVDの内容についての話になりますが、前作「ナイツ独演会 顎を引いて頑張れ。」同様、今回も「ヤホー」ネタから始まり全9本のネタを収録されています。一番お薦めのネタはどれですか?
塙:「ピンク」ですね。「ピンク」以外はネタだと思っていないので!
土屋:(笑)
塙:「追悼漫才」は亡くなった人を取り上げているのですが、言い間違えは多めですね。
土屋:お薦めはいっぱいありますけど、「ワンマンナイツ」はDVDで見ると、楽しめるんじゃないですかね。いろいろと。好きな方は巻き戻してみていただくと、また面白いと思います。
――「ヤホー」ネタは’16年に世間を騒がせた有名人をうまく“K”でまとめていましたが、日頃からいろいろなところにアンテナを張り巡らしているのですか?
塙:時事ネタって、もうあるから作るのが楽なんです。だから、時事ネタの切り口次第ってところがありますね。普通にやると爆笑問題さんのようになっちゃうので、「違うボケを考えよう」みたいになると、ああいう共通のアルファベットを見付けるみたいな感じになっちゃいますね。
2月15日発売
本編=「2016年をヤホーで調べました」「リオの戦リオ品」「塙鷹の真相暴き」「ワンマンナイツ」「追悼漫才」「解散の予感」「急げ!土屋」「ピンク」「漫才協会ラップ」
収録時間=本編91分+映像特典20分
価格=3800円(税抜)
発売元=コンテンツリーグ
※ナイツの過去の作品を発売中!
【HP】http://www.contentsleague.jp/knights