NHKスペシャル 新シルクロードの放送内容一覧
10回シリーズで放送したNHKスペシャル「新シルクロード」の総集編。第二夜はタクラマカン、カシュガル、トルファン、天山南路、草原の道の中国・新疆ウイグル自治区の各地を振り返る。
10回シリーズで放送したNHKスペシャル「新シルクロード」の総集編。第一夜は、西安から西に向かい、敦煌、カラホト、青海、楼蘭の5カ所を振り返る。
ウイグル族は、人生に起きる言葉にできない喪失感を「ディラクエ=魂の叫び」という一つの旋律に託した。ウイグル族の心の故郷と呼ばれるカシュガルは、ウイグル民族固有の伝統が色濃く残っている。かつて野を駆ける遊牧騎馬民族だったウイグル族は、流転の果てにカシュガルに辿り着き、その後、民族を襲った幾度かの悲劇をくぐり抜けてきた。変貌を遂げるカシュガルと、変わらない路地裏の風景。その中で奏でられる「ディラクエ」の旋律を追う。
11世紀にシルクロード・河西回廊の覇者となり、作家井上靖の「敦煌」で知られる西夏王国。独自の西夏文字と優れた仏教芸術や文化を残したが、14世紀後半〜15世紀にかけて拠点のひとつであった黒城(カラホト)とともに姿を消した。その理由は、地球規模の気候変動と民族抗争の果ての砂漠化。一方で今、オアシスでも黒河の枯渇のため砂漠化が急激に進み、故郷を追われる人々「環境難民」があとを絶たない。最新の研究成果と現地ルポを重ね合わせながら、シルクロード最大の謎とされたカラホト滅亡の真相と、過去と現代にわたって繰り返されてきた水をめぐる悲劇に迫る。
もうひとつのシルクロードと呼ばれる「青海の道」。1980年代に発掘された熱水大墓(ねっすいたいぼ)遺跡をはじめ、大小合わせて200もの古墳の跡は「青海の道」が主要なシルクロードの一つであったことを証明した。変化に富んだ「天空のシルクロード」を、その美しさから“天空のサファイア”といわれ、チベット族の聖地でもある中国最大の湖・青海湖と、周辺に住む遊牧民の素朴な暮らしとともに紹介する。
壁画と塑像で飾られた敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)。その一角にある非公開の北窟には、絵師や修行僧など、莫高窟を陰で支えた人たちの痕跡がわずかに残っている。歴史に名を残すことのなかった人たちの「生と死」の物語を追う。
天山山脈の南麓、ギジル石窟に花開いた絢爛たる青色の仏教壁画の世界。数奇な運命をたどり、独自の仏教哲学を生み出したこの地ゆかりの僧、鳩摩羅什(くまらじゅう)の生涯を通して、思想の道としてのシルクロード、その風土と歴史に迫る。
1000年にわたって西域南道に栄えた仏教王国・ホータン。その痕跡は流砂に埋もれ、中国や日本に大きな影響を与えた仏教美術のほとんどが失われてしまっていたが、2004年に王国の遺跡調査が相次いで行われた。古代仏教王国の芸術とその美の秘密に迫る。
ユーラシアを貫く草原地帯では、騎馬遊牧民たちが馬の機動力を生かして広大な大地を支配してきた。草原を風のように疾走した古代騎馬遊牧民のかすかな痕跡を「草原の道」にたどり、その栄枯盛衰を振り返る。
20世紀初頭、世界列強の探検隊によって盗掘され世界に散逸したベゼクリク千仏洞の巨大な仏教壁画「誓願図」をデジタル復元。中央アジアの仏教美術の最高峰と称される極彩色の美の世界と、それを生んだ豊かな風土の特色を詩情豊かに描く。
古代楼蘭の謎に迫る発掘ドキュメント。楼蘭の西100Km、3000年〜4000年前のタクラマカンに最初の文明をもたらした人たちかも知れない白人ミイラが数百体眠っている不思議な遺跡に迫る。
1980年から放送されたNHK特集「シルクロード」の取材地を訪ね、25年前に映し出された人物・風景のその後を2部構成で振り返る。第1部では天馬のふるさとで撮影された20歳の花嫁や、カシュガル大バザールの楽器職人一家を追い、変わり行くシルクロード、変わらないシルクロードを描く。第2部では新シルクロードの音楽監督を務めるヨーヨー・マと彼が率いる音楽家集団「シルクロード・アンサンブル」に焦点を当てる。「シルクロードという言葉は相互理解を意味する象徴的な言葉として使用されるべき」と考えるヨーヨー・マの生き方を伝える。