NHKスペシャル 新シルクロード 激動の大地をゆくの放送内容
大型シリーズ「新シルクロード 激動の大地をゆく」の総集編。アラビア半島を貫くシルクロードに沿って、アラビア半島の南端イエメンから北上し、地中海をのぞむレバノンを巡る。かつてアラブ世界随一の繁栄を誇った「シバの女王」の地、イエメンからさまざまな宗教が混在する世界でも珍しい「宗教のモザイク地帯」へ。宗教間の激しい対立が続く中、人々の平和への祈りが響くアラビアのシルクロードを縦断する。
シルクロードの今を見つめて旅する大型シリーズ「新シルクロード 激動の大地をゆく」の総集編。今回は、旧ソビエトの国を通るユーラシアのシルクロードを行く。この道ではソビエト崩壊後に新国家が次々と誕生するも、今だ人々が大きく動いている。現代シルクロードに住まう人々に出会いながら、中国とカザフスタンとの国境から西へ、アジアとヨーロッパの境界・トルコを巡る。
シルクロードのシリアからレバノンへの100kmは、さまざまな宗教が共存する「宗教のモザイク地帯」と呼ばれていて、ローマ帝国の太陽神殿や、キリスト教最古の修道院など「世界遺産の宝庫」だ。しかし一方では、宗教間の対立がやまぬ紛争の地にもなっている。シリアの奇祭「火祭り」に込められた戦火の記憶と、イスラムの宗派対立で息子を亡くした父親の祈りを通して宗教のモザイク地帯に暮らす人々の現在に迫る。
東西文明の交差点であるトルコを今、揺り動かしているのが自由と独立を求めるクルド人たちの存在。彼らはなぜ今、自由と独立を求めるのか? また、独立派に対し「国家分裂をねらうテロリストだ」という立場をとるトルコ軍は、どう応じようとしているのか? シルクロードを行き来する彼らの声に耳を聞く。
第一次世界大戦中、「アラビアのロレンス」ことトーマス・エドワード・ロレンスらによって爆破されたヒジャーズ鉄道。中東のシルクロードに沿って建設されたこの鉄道の跡をたどり、世界最古の都を誇るシリア、砂漠の王国・ヨルダンを巡る。争いで故郷を失い、望郷の思いを抱き続けるパレスチナ人、ユダヤ人、イラク人、また紛争の停戦ラインをはさんで離れ離れになった親子など、激動の中東に生きる人々の今と過去に向き合う。