ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第112回ザテレビジョンドラマアカデミー賞ザテレビジョン賞 受賞インタビュー

撮影=石塚雅人

松(津田健次郎&豆三郎)

こんなかわいい子の声を!?と自分でも驚きました(笑)(津田健次郎)

ドラマ「ナンバMG5」(フジテレビ系)で主人公家族の愛犬・松を演じた豆三郎と、その声を担当した津田健次郎さんが、ドラマアカデミー賞・ザテレビジョン特別賞を受賞されました。まずは受賞の感想をお聞かせください。

特別賞を受賞と聞いて、本当にびっくりしました。思ってもみなかった賞を頂けて、めちゃくちゃうれしいです。ありがとうございます。

受賞は視聴者の皆さんの応援あってこそですし、(アフレコ参加なので)間接的ではありますが共演していただいた役者の皆さん、プロデュサー陣、本広(克行)監督を始めとするディレクター陣やスタッフの皆さんのおかげで、みんなでもらった賞だと思います。
豆三郎くんとコンビで受賞というのもうれしいです。ずっとセットでやってきましたので。最初は松役と聞いて、自分でも驚きました。僕の声はいかつめだと自覚しているので、こんなかわいい子の声を!?と(笑)。ギャップを楽しんでいただけたことが(受賞を通して)分かって、うれしいです。


本物の犬である豆三郎くんへのアフレコを終えて、いかがでしたか?

動物に声を当てること自体が初めてでしたが、収録はめちゃくちゃ楽しかったです。「ナンバMG5」はノリの良さを大切にしていた作品だったと思いますが、現場の楽しさみたいなものがご覧になる方に伝わったのではないでしょうか。

そして、その一つが松の声を僕が担当させてもらうことだったと思います。アフレコでは結構アドリブが多くて、そういった部分がとにかく楽しかったです。

犬ですから当然セリフとパク(口の動き)は合わないので、スタッフの皆さんもそこはザックリいきましょうと言っていたんですけど、明らかにワンワンと言っているところは豆三郎くんに合わせて何か言った方が面白いかな?と思ったんです。それでセリフが短いところでもいろいろ足したことが、アドリブが始まったきっかけでした。


特に印象的だった回はありますか?

重要な役目をやらせてもらった、第1話と特別編ですね。第1話は特に印象的でした。人物紹介の役割もある回で、松の目を通して、皆さんを紹介させていただいたので、ある意味、オープニングを飾らせていただいたような気持ちでした。


津田さんのお名前はしばらく伏せられていましたが、人物紹介の際にイケオジ好きの吟子(原菜乃華)が津田さんのポスターと共に登場するなど、匂わせも面白かったです。

第1話からポスターではありましたが映り込みでも参加することができて本当に光栄でしたね。最終回の後に放送された特別編もそうですが、驚かされることの多い仕事でした。


特別編では、津田さんと松が出会うシーンも描かれましたが、あの時はどんなお気持ちでしたか?

不思議な気持ちでした(笑)。あのシーンでは背後のポスターにも僕がいて、目の前にも僕が声を演じる松がいる、という不思議な構図だったので。

今回の現場では、いろいろ楽しませていただきました。例えば、TikTokでも松の動画をアップしていて、これは本当にノリだけでやっていて(笑)。決まったセリフはなく、映像を1回だけ見て、ほぼワンテイクで録っていたんです。

プロデューサーさんやスタッフの皆さんに笑っていただけるのであれば、視聴者の皆さんにも笑っていただけるかな?という気持ちでやっていました。


声の収録ということで、キャストの方と顔を合わせる機会は少なかったかと思います。主演の間宮祥太朗さんとは、その後、お会いになる機会はありましたか?

1回だけありました。撮影が全部終了してから、別の現場で偶然お会いすることができたんです。本当に一瞬だけだったのですが、お互いに「やっと会えましたね!」という感じで。お会いできてうれしかったです。


改めて、間宮さんの魅力はどんなところだと感じましたか?

繊細さと大胆さがあって、まるで2役を演じていたような剛っぽさがご本人にもあるところではないかと思います。奥にすごく熱いものがあるんだろうなと感じました。


作品自体の魅力としてはいかがでしょうか?

コメディードラマですが、現場にはアツいものを作るんだという空気がずーっとあふれていました。

前半は最強ヤンキーと優等生の二つの顔を持つ主人公の設定の面白さやそこから生まれるコメディー感がありましたが、後半になると徐々にシリアスになり、アツい物語に変化していきました。

家族の絆や友情、そして、「自由とは何か?」「生きていくとは何か?」など、結構深いところまで描いていましたよね。そこも「ナンバMG5」が盛り上がっていく要因になっていたのではないかと思います。


ところで、津田さんは「ナンバMG5」と同クールに「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」(テレビ朝日系)にも出演していらっしゃいました。俳優業と声優業では、声の出し方やお芝居などに違いがあったりするのでしょうか?

お芝居の差は、ジャンルの違いというより作品の違いで捉えていると思います。アニメでもいろんなテイストの作品がありますので、作品ごとに当然、ニュアンスが違っていきます。映像もアニメも芝居は芝居なので、俳優、声優で意識して変えている部分はないですね。


そうなんですね。新ドラマ「あなたのブツが、ここに」(NHK総合)もスタートし、ドラマ出演が続いています。

ありがたいことにお話をいただけまして。声の仕事ではアニメ、洋画の吹き替え、ナレーションもやらせていただきつつ、こうしてドラマにも呼んでいただける機会が増えました。今後もどちらも続けていけたらと思っています。


最後に「ナンバMG5」ファンの皆さまにメッセージをお願いします。

ドラマ放送中から劇場版を期待する声も多かったので、実現したらいいなと思っています。皆さま、引き続き「ナンバMG5」の応援をよろしくお願いいたします!

(取材・文=及川静)
ナンバMG5

ナンバMG5

間宮祥太朗主演で、小沢としおの人気ヤンキー漫画を映像化。筋金入りのヤンキー一家の次男・難破剛(間宮)は“脱ヤンキー”を決意し、家族の前ではヤンキー、高校では真面目な生徒として生活を始める。しかし、いじめられている友人を特攻服で助けたことから、正体不明の最強ヤンキーとしてのし上がってしまう。

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