ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第95回ザテレビジョンドラマアカデミー賞最優秀作品賞 受賞インタビュー

撮影=下田直樹

陸王

まるで駅伝のようにみんなで一緒に作っていました(伊與田英徳プロデューサー)

「陸王」で、最優秀作品賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください。
伊與田英徳:この賞は何度いただいてもうれしい。ありがとうございます。一生懸命立ち上がろうとする「こはぜ屋」と復活をかけるマラソンランナーが二人三脚で一つの物を作り上げていく原作に描かれているおもしろさをまるで駅伝のようにみんなでタスキをわたしながら一緒に作った結果、みなさんに喜んでいただけてよかったです。撮影現場に行くと、たくさんのエキストラの方たちが作品を盛り上げてくれて、みんなで楽しくできているなという実感はありました。
飯田和孝:それぞれの登場人物たちが、みんな一生懸命。「こうなりたい」「こうしたい」ということを信じて目標や夢を持って頑張っている姿を見て、元気になってもらえたのかなと思っています。
豪華俳優陣の共演と、意外なキャスティングが話題を呼びました。
伊與田:一生、チャンスはないだろうと思っていた役所(広司)さんとご一緒できて、池井戸先生に感謝しています。役所さんは、どんな時でも自然体で主人公の宮沢として存在してくださいました。何と表現すればいいのか分かりませんけど、その足腰の強さとしなやかさ、懐の広いお芝居はすごかったですね。寺尾(聰)さんにも出ていただいて。この両ベテランと、山﨑(賢人)くん、竹内(涼真)くんといった若手たちが刺激し合う現場の良い雰囲気が、画面を通して伝わったような気がします。あけみ役の阿川佐和子さんは無理だろうと思いながらオファーしたら、すごく乗ってくださって。仲間の従業員たちを本当にまとめているんじゃないかと勘違いするような演技で、役所さんや寺尾さんに新人のように全力でぶつかっていく阿川さんは、とても素晴らしかったです。御園社長役の松岡修造さんも、よく出てくださいましたよね。あの絶対的な存在感とカリスマ性はさすが。お芝居に対してすごく熱心に取り組んでいただいて、リハーサルを何回も重ねながら一緒にキャラクターを作っていきました。
個性豊かな役者さんたちによる“化学反応”も見どころの一つでしたね。
伊與田:先輩たちに胸を借りるつもりで思いっきりぶつかっていく若手と、それをしっかりと受け止めるベテラン。会社の中の上司と部下、先輩と後輩のような上下関係が、そのまま役者としての上下関係にリンクしていたのかもしれませんね。
ドラマを作る上で苦労した点は?
飯田:今回の作品をスポーツものと言っていいのかは分かりませんけど、走るシーンが多かったので実際に陸上をやっている人が見た時に嘘があってはいけないなと。走るということはみんなが経験していることなので、走っている時の姿はもちろん、選手それぞれの体つきやたたずまいをしっかりと見せることが一番苦労した部分です。オーディションから練習、そして本番と、準備期間が短い中、竹内(涼真)さんは間違いなくマラソンランナーの茂木選手になっていて、改めて素晴らしい俳優さんだなと思いました。陸上の総監督として俳優さんたちを指導してくださった原晋監督にも感謝しています。
物語の舞台である埼玉県・行田市の印象は?
飯田:行田は、気軽さがとても魅力的な街だなと思いました。地元の方たちも皆さん気さくに話し掛けてくださって。「陸王」というドラマを心から好きになってくれている、その思いを強く感じながらロケを行っていました。とても素敵な街でしたね。
伊與田:行田は歴史のある街ですから。その歴史をお借りしながら、僕らは「陸王」というドラマを作りました。作品を通して、行田に住む方たちの生き様や代々受け継いできたものなどを、少しでも見ている人に届けられたらいいなと思いながら撮影していました。
陸王

陸王

「半沢直樹」(2013年TBS系)の制作陣が集結し、池井戸潤の同名小説をドラマ化。創業から100年以上続く老舗足袋業者「こはぜ屋」四代目社長・宮沢(役所広司)が、会社の存続を懸けてランニングシューズ開発に挑む企業再生ストーリー。資金繰りに悩む宮沢が、新規事業参入のため一世一代の勝負に出る。

第95回ザテレビジョンドラマアカデミー賞受賞インタビュー一覧

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