松山ケンイチ、ひきこもり当事者の話に共感「“ひきこもる”という形で社会に訴えている」
松山ケンイチ「僕もすごく疲れるなと感じるときもあるので…」
具体的にどのようなところに共感したかをきくと、松山は「自分が過去に傷ついたことや、人を傷つけてしまった思い出って消えなくて、ずっとフラッシュバックみたいによみがえってくるんです。ひきこもりの人たちは、そういう部分に敏感で、誰よりも人の目を気にしている方たちが多いなと感じて、そういう部分が僕にも当てはまるなと思いました。もともとみんな持ってるけど、それを持ち続けることで、生き方が不都合になってきますよね。だから、気付いていたら無理だって、ふたをするんだと思うんです。でも、ひきこりの人は、“それをしたくない、できない人”なんだろうな、と感じました。最近、僕もすごく疲れるなと感じるときもあるので…」と明かした。
松山は、雅夫を演じるにあたりひきこもり経験のある人に話を聞いたという。松山は「ひきこもりの人たちって、パーカーを着ないんそうなんです。寝ころんだときにフードが邪魔になるそうで、衣装案からは外しました。でも、すぐに寝られる状況を作っている一方で、いつでも外に出られる準備もしていると言っていました。あとは、ひきこもりの人たちのコミュニティもあって、当事者同士の方たちはよく外でも交流されているらしく、驚きました」とエピソードを披露した。
また、役作りのためヒゲと髪をのばし撮影に挑んだという松山は「長い期間かけて一生懸命、生やしていました。実は仕事をしていないときは僕もこういう感じなんです。家にいたいですし、全てをシャットアウトしたいと思っているので(笑)」と冗談を交えて語った。
松山は今作の見どころを「同じ人間なんですけど、一方でひきこもりになってしまう人がいて、一方でがんがん仕事をしている人がいて、その違いを考えるだけでもこの作品は意味があるのかなと思います。自分と違う考え方の人たちを排除するような動きがどこかでありますが、そうじゃないんだなということを考えさせられる作品です。たくさんの方に見ていただいて、考えていたければと思います」とアピールした。
NHKスペシャル ドラマ「こもりびと」あらすじ
10年以上にわたってひきこもり生活を送る倉田雅夫(松山)。重いストレスを抱え働けなくなったことがきっかけだった。
厳格な父・一夫(武田)は元教師。地元でも尊敬を集める存在だが、雅夫の存在を世間から隠し、立ち直らせることも諦めていた。しかし、自らの余命宣告を機に、最後にもう一度息子と向き合うことに。一方の雅夫は、閉ざされた部屋の中で人知れず、ひきこもりから抜け出す道を必死で探っていたー。実際の出来事や証言に基づく物語。
11月22日(日)夜9:00-10:13
NHK総合