“最年少世界遺産検定マイスター”山本・リシャール登眞氏、 ミステリハンターに初挑戦! 「文化財とは守られてきたもの」【Interview】
1000年前のものが今見られるのは、1000年間守ろうという心が続いてきた証
――「仁和寺」で過ごした時間はいかがでしたか?
感動したことがたくさんありました。すべてが特別な体験でしたが、お昼から夜まで長時間居られたことが嬉しかったです。
普通、お寺を拝観するのは1~2時間くらいで、鑑賞がメインになってしまいますが、1日いたことでお寺の方たちの日常も感じることができました。
撮影中に読経が聞こえてくると、またお勤めが始まったのだなと。いつもとは違う感覚でお寺にいる時間を楽しめました。また、貴重な文化財を守っていくために今の時代に合った方法で、さまざまな工夫が施されていると感じました。
他のお寺の僧侶の方は、「仁和寺さんは攻めている」とおっしゃるのですが(笑)、将来文化財を守る担い手となる僕たち世代にも関心が向くような入り口を作ってくれていると思います。YouTubeに取り組まれていたりもしますしね。
――今回は修復中のお寺もあったかと思いますが、いかがでしたか?また、視聴者の方に伝えたいこととは?
どんなに歴史的価値がある場所でも、それを守ろう、残そうという人がいなければ消滅してしまいます。1000年前のものが今見られるのは、1000年間守ろうという心が続いてきた証です。
古い文化財の多い京都では、常にどこかで修復が行われています。そういった現場でもいろいろなお話を聞かせて頂きました。なかでも巻物などの修復をする工房の岡さんの言葉が心に残っています。
岡さんは、中学や高校で講演をしているそうですが、そういった講演を通して自分も文化財を守る仕事に就きたいと思う子が100人に一人いればいい、そして99人の子に文化財を守る仕事があるということを知ってもらうことが大切だと。本当にその通りだな、と思います。
今回の番組でも、美しい秋の京都を楽しんで頂くとともに、文化財とは守られ続けてきたものだということを知ってほしいです。
毎週土曜夜9:00-9:54
TBS系で放送