<おちょやん>杉咲花が“名女優”を演じるにふさわしい理由 熱意も空回りも自在な演技力に感服
“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)第5週「女優になります」は、いよいよ本題に突入。主人公・千代(杉咲花)が京都で心機一転、女優になることを決意し、山村千鳥一座に入団する。だが、千代は想いだけは強いが、肝心の演技はさっぱりで…。千代の熱意と空回りを自在に演じて、朝ドラ主役の貫禄を見せる杉咲花について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
物語は本筋へ!千代、いよいよ女優の道に進む
「おちょやん」は、浪花千栄子さんという知る人ぞ知る名優をモデルにした物語。貧しい家に生まれた千代がやがて女優になって活躍していく姿を描く。第5週は、千代を借金のかたに身売りしようとした父テルヲ(トータス松本)から逃れ、大阪道頓堀から京都にやって来た千代が、カフェーキネマという客商売(キャバレーの元祖)の店で働きながら、女優を目指す決意をする。
大阪道頓堀の芝居茶屋で芝居の面白さに目覚め、演じることに興味もあったものの、明確に女優になりたいとは思っていなかった千代だが、カフェ−で知り合った同世代の洋子(阿部純子)や真理(吉川愛)が映画に出ることを目指して頑張っている姿に刺激されて「女優になります」と宣言する。それには、女優になれば、生き別れの弟ヨシヲにも気づいてもらえるかもしれないという思惑もあった。