池脇千鶴主演ドラマ「その女、ジルバ」の“熟女ホステス三人娘”久本雅美『自分の年齢はギャグにしています』
池脇千鶴主演のオトナの土ドラ「その女、ジルバ」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)。物語の重要な舞台となるBAR「OLD JACK&ROSE」の“熟女ホステス三人娘”を演じる中田喜子、久本雅美、草村礼子が、それぞれ役の印象やドラマの見どころなどを語った。
同作は、池脇演じる40歳の笛吹新が、超高齢熟女BAR「OLD JACK&ROSE」で働き始めたことをきっかけに、熟女ホステスらに感化され、前向きに人生を歩み始める物語。その中で、中田はエリー、久本はナマコ、草村はひなぎくという、新の先輩ホステスを演じている。
中田喜子、久本雅美、草村礼子インタビュー
――あらためて、ご自身の役柄についての印象などをお教えください。
中田:今回演じるエリーのようなコメディー要素のある役は初めてで、原作を読ませていただいてから、いろいろと考えながら撮影に臨んでいます。とても楽しく演じています。
久本:エリーさん、すごくかわいいです。
中田:エリーは乙女チックな部分とおばさんの部分を持っているので、その両方をバランスよく出していけたらと思っています。
久本:私の演じるナマコはとてもしっかりしている人。でも、親がいなくてジルバさんに育てられていた背景があり、そうした強さも演じていきたいですね。
草村:ナマコさんはとてもパンチがあって、エリーさんはとてもかわいらしくて、私が演じるひなぎくはいつも真ん中でウロウロしているだけなんですよ。
久本:そんなことないです! 草村さんの声のトーンは優しいので、癒やされます。本当に素晴らしいと思います!
草村:こうして“よいしょ”してもらうじゃない? とても皆さん優しいのよ(笑)。
――BAR「OLD JACK&ROSE」の名物・ラインダンスのシーンも、ドラマの見どころの1つです。
草村:ラインダンスが初めてで、私が足を引っ張ってしまって…。
中田:台本には“プロのように踊っている”と書かれていて、本当に焦りました(苦笑)。
久本:私も皆さんと同じで四苦八苦していました。クランクインの前に少しお稽古をさせていただいて、携帯に振り付けの動画を入れてそれを確かめながら家でも練習して…。
中田:そうよね。
草村:私も動画を見ている時は“うん、うん”って、自分もすぐできるような気がするのですが(笑)。
久本:照明や撮り方を工夫していただいて、奇麗に撮っていただいています。監督さんが「エンターテイメント性を出したい」とおっしゃっていたのですが、うまいことごまかせていると思っています(笑)。
草村:見てくださったお客さまが、喜んでくださるような感じはします。自分のことは置いといて、よ?(笑)
久本:最後は顔でごまかします!
――ダンスのご経験はありましたか?
中田:私、日舞は踊れますが、洋舞は経験がないんです。
草村:でも、音楽に合わせて“キメ”ができるっていうのは、やはり日舞をやっていらっしゃるからよね。
久本:中田さんの日舞、ぜひ見てみたいですね!
中田:慣れないこともあってか、実は最初のダンスシーンで親指の爪が折れてしまって。今、接着剤で応急処置をしているんです。
久本:えっ! 初めて知りました。
中田:少し血豆になっていて。靴が合わなかったのかな?
久本:本当にお強い、現場で何も言われてなかったから…。
――長きにわたり芸能界で活躍してきた皆さまの“人生を楽しむコツ”を教えていただけますでしょうか。
中田:「私なんか」と自分を卑下するような言葉はNGと思って生きています。“誰かが見てくれている、1人でもいいから見ていてくれている”と思いながら、女優を続けている気がします。あとは、自分の年齢を数えないこと。それが年を取らない秘訣(ひけつ)だと友人が教えてくれました。
草村:私は自分の年齢を名前を言うように伝えます。年の話はやめようという意味で。
久本:なるほど。
草村:あとは、“相手の人の命を削るようなことは言わない”ということでしょうか。例えば「元気そうですね」って言われたら「おかげさまで」と言うのですが、「お疲れですか?」と言われるとちょっと嫌なんです。なるべく元気にしていたいですし、周りの方に「草村さん、いつも元気ね!」と言っていただけることがエールになっています。
久本:私は「62歳ですけど、何か問題でも?」という感じで、自分の年齢はギャグにしています。心掛けているのは“ああ言えばよかった、こうすればよかった”ではなく、“ああ言えて良かった、こうやって良かった”と思える生き方に近づくこと。我を張るのではなく、いい意味で強くならないと。クヨクヨしない、グタグタ言わないようにしています。
草村:久本さんは普段からお仕事でもリーダーシップをとられているから、皆が付いていきやすいように軽やかに“クヨクヨ”を排除するのは毎日の習慣なんでしょうね。だからなのか、久本さんが現場にいらっしゃったときに“来た!”って思うの。風が吹くような感じがありますね。
久本:“来た!”って、人を妖怪みたいに(笑)。
草村:言い方が悪かったかしら?(笑)
久本:いやいや、うれしいです! 人と比べても仕方ないですし、自分と向き合って磨いていくしかないですよね。
――視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
中田:今は特に平常心を保つことがとても難しい時期ですが、深夜のこの時間だけはこのドラマを見て大いに笑って、共感していただけたらと思っています。
久本:おっしゃる通りです。この時期に、私たちがお手伝いできることがあればと思っています。私はナマコがアララ(池脇)に言った、「女は40(しじゅう)からよ」というせりふが大好きなんです。
でも、40だけじゃなくて「50歳も60歳も70歳も85歳もこれからよ!」と思うんです。皆さんの気合いが入るようなドラマなので、明日に向かって少しでも前向きになっていただければと思います。
草村:コロナ禍で対面は難しいですが、「おはよう」とか「こんにちは」と言葉を掛け合うことって大事ですよね。このバーでは私たち3人はおしゃべりな役で、アララの職場でもみんなで声を掛け合ったりお話したりすることで、人との距離が縮まっていくんです。“言葉を掛け合う大切さ”がお伝えできるドラマだと思っています。