山口紗弥加「『不可能って、本当に可能にできるんだ』と」
――ドン底にいる香菜たちの背中を後押しするのは、バスケ部の恩師・安東先生の言葉「最後まで攻めろ!」ですが、山口さん自身、大切にされている言葉はありますか?
「NODA・MAP」に出演させていただいた時のことですが、私はその作品の中で2役演じていて、早替えが必要になるところがたくさんありました。あるシーンで、着替えの時間が数十秒しかなく、かつ、私一人で衣装から髪形、メイクまで変える必要があり、思わず「不可能だと思います」と言ってしまったんですね。
その際、衣装を担当してくださっていたワダ・エミさんが、「不可能はない。そう思うならあなたが可能にしなさい」とおっしゃって、最初は戸惑ったのですが、試行錯誤しながら練習を重ねると、リハーサルでクリアすることができたんです。人生ではどうにもならないことの方が圧倒的に多いかもしれないけれど、自分次第でなんとかできることもある、「不可能って、本当に可能にできるんだ」と知り感動しました。あの時、あの言葉をいただかなかったら、きっと挑戦なんてしていません。とてもいい経験になりました。
そして現在、香菜を演じるにあたってワダさんの言葉を毎日思い出しています。あのときの感動が、香菜の、私自身の原動力になっています。諦めなければ、願いは、届く。そう強く信じて、小さくてもひとつの希望となれるような作品を…視聴者の皆さんにお届けしたいと思っています。