藤原竜也“嶋田”がいじめや差別に対し正論をぶつける 山田裕貴“三枝”のかわいさが緩和剤に<試写室>
力が宿っている嶋田の言葉
第4話までに、「なんで我が校ばっかり…」と木島校長(高橋克実)もこぼすほど問題続きの赤嶺中学。嶋田が“コナン”や“金田一”のような、彼のいるところに事件ありといった存在に思えなくもない。そんな中、今度はバスケ部でいじめが発覚し、ある大きな事件へつながっていく。
個人的に、今回の見どころは大きく言うと二つ。いじめや差別に対する嶋田の言葉と、今まで以上に癒やしを感じた「#三枝ほっこりタイム」だ。
まず、第5話のテーマであるいじめについて。標的になっているのは、男子バスケ部に所属するハーフのアレン。端から見ると明らかにいじめられているのだが、気に掛けてくれる教師・柴田(泉澤)に彼は「いいよ、先生」と、気丈に振る舞ってみせる。
社会人となった今、中学、そして部活動という世界はなんて狭かったんだと思えるが、その当時は確かに自分の一番の居場所であった。このいじめには、そんな若い世代ならではの悩みと、ハーフというだけで背負ってきたアレンの心の傷が関係している。
また、人種差別は世界的な問題にもなっているが、物語内でもそれに触れ、一石を投じるような場面もいくつかあった。
古い体質だなと感じる職員室の先生たちや他の登場人物からは、偏見のような言葉が無意識に出てしまう。同調する者もいる中で、嶋田らがそれをとがめていく。一方で、自分の行動が「差別にあたるのでは?」とアレンに向けて謝る生徒に、アレンが「それはいいでしょ」と、謝罪は過剰だとしている部分も。
改めて、この問題の根深さや、第三者からの判断の難しさなどを考えさせられた。
そして、今回も嶋田の言葉が持つパワーはうらやましくなるほど。言葉遣いは少々乱暴ではあるが、決して建前ではない彼の本心であるということが余計、心に響く理由だろうか。
大事な場面でだけ、熱を持って人と接するのは難しい。嶋田が訴え掛ける言葉の一つ一つには、彼が日頃から赤嶺中学の生徒、教師をどれだけ気に掛けているかが表れているような気がする。
さらに、今回はいじめや差別といった“悪”に向けた言葉であったため、「よくぞ言ってくれた!」という爽快感も相まって、スクールポリスとしての嶋田の頼もしさが十二分に感じられた。