新しい日本のエンターテイメント「IMY」ユニットを結成
さらに映像作品にも進出。2007年は「ハケンの品格」(日本テレビ系)、「生徒諸君!」(テレビ朝日系)、「花ざかりの君たちへ」(フジテレビ系)に立て続けに出演。映画にも数多く出演した。翌年、「ROOKIES」(TBS系)の新庄役で強烈なインパクトを残すと、2009年の大河ドラマ「天地人」(NHK総合ほか)で真田幸村を演じた。その後は映画・ドラマで欠かせない存在になっていった。
けれど、城田は20代の頃の自分が「アイドル俳優」だったと振り返る。「その役をどうしたら素敵に見せられるかっていうことよりも、自分がどうしたら素敵に見えるかっていうことを、多分考えていた」(「CINRA.NET」2018年7月4日)と。
それではダメだと30歳になる直前に気付き、役を掛け持ちしたりせずにひとつひとつの役を全うすることに決めた。2019年には、ミュージカル「ファントム」で加藤和樹とのWキャストで主演を務めつつ演出も担当するという大きな挑戦も行った。
また同年、30歳の頃にミュージカル「エリザベート」で共演した尾上松也、山崎育三郎とともに、ユニット「IMY」を結成。「常識に囚われず、今までにない新しい日本のエンターテイメントを作ろう」というユニットだ。 まさに城田優は、「ケ・セ・ラ・セラ」の精神と規格外の存在感とストイックさを持った、「俳優」という枠に収まらない稀代のエンターテイナーなのだ。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2020年12月号