最終審査は卒業制作そのもの
――審査でのアドバイスの的確さも印象的でした。
話をちゃんと聞いてもらうことは難しいです。人間って、どうしても伝えたいが強くなってしまうので。特に今回は、向上させることが目標なので、どういう話し方をしたらストレートに聞いてもらって向上につなげられるんだ…と悩みました。というか、まだ模索中です。ただ、放送を見ているとやっぱりこういう言い方をした方が伝わりやすかったかなと考えることは多いです。動画の編集をしていると、この言い方でなく他の文言で彼に伝えていなかった?みたいなのが出てきて、データを全部探してもどれもちょっとニュアンスが違ったりして…というのが何回かあって。なので、1年目ということを差し引いても、自分的には及第点ですかね。
――SKY-HIさんが思い描くグループ像がある上での審査をしていたのでしょうか?
メンバーには伝えていましたが、正直なところ最終ステージの2日前までは、彼ら個人の成長しか考えていませんでした。個人にとって何がベストなのかということだけを考えて。もちろん最後は、思い描く一番理想に近い形を探し出すという作業でしたが、乱暴な言い方ですが、音楽ファーストという思いさえみんなが持っていたら、メンバー構成はどうにかなるかなってというところもあって。グループの形は本当にさまざまなので、どんな形でも組めると思っていました。なのでこれは一貫してですが、こうやったら番組が盛り上がるとかは考えておらず…。スタッフさんには相当迷惑を掛けたかな?と思います(笑)。
――最終審査の空気感はいかがでしたか?
改めて合宿がいい時間だったと感じさせてもらえました。才能というのは水や肥料のやり方ですぐ開花する可能性があって、そういったものが一堂に会して芽を出していく姿はいかに美しいものなのかを伝えたかったのですが、それがきちんとできたというか…。彼らにとってもちろんデビューというのは根っこにあったと思うのですが、最終審査で全員がそろったときに、全てのパフォーマンスにおいて、自分が目立ってデビューを勝ち取りたいではなく、今までやってきたこと、自分たちができることを全力で見せるというマインドでステージに臨んでいて。何というか、最終審査というより、このメンバーでの最後のステージというか、もうちょっとカッコイイ言葉で言いたいですが(笑)、卒業制作そのものというか、それに近い形になっていました。本来のオーディション番組の最終審査ではなかなか出ない空気になっていたと思います。それができているのは本当に美しいことです。