新選組の副長・土方歳三の生涯を描く映画「燃えよ剣」。
司馬遼太郎(遼は正しくはしんにょうの点が2つ)による歴史小説でこれまでに何度も映像化されている同作は、新型コロナウイルスの影響で公開延期に見舞われたが、いよいよ10月15日(金)に公開されることが決定した。
そんな同作で松平容保を演じるのが歌舞伎役者の尾上右近。容保は会津藩主で、京都守護職に命ぜられ新選組を預かることになる重要な役どころだ。
今回、右近のインタビューを実施。スクリーンデビューとなる同作に懸ける思いや役作りなどについて聞いた。
監督に必要とされたというのがとても誇らしかったです
――出演オファーを聞いた時の感想を教えてください。
映画に出たいという思いは10代半ばくらいからあったのですが、20代半ばに出演のチャンスが来て、内容は時代劇で…というイメージをしていたんです。
だから実際にそういうチャンスをいただけてすごく不思議な気持ちもありましたし、うれしかったです。
演じる松平容保ですが、容保は激動の時代の中でかたくなに自分の家訓や伝統を貫いた人だったというお話を伺いました。
流れゆく時代の中で自分の精神を貫く姿勢というのは、歌舞伎の世界に身を置いている自分も大切にしていることだったので、役とのリンク性を感じることができましたし、そういった部分で自分を必要としていただいたのかもと思いました。
まず自分を見つけてくださったっていうのがうれしかったし、オファーをいただいたこと自体が歌舞伎や自分の姿勢を肯定された気にもなり、監督に必要とされたというのがとても誇らしかったです。
――原田眞人監督との撮影中にお話しされたことなどはありますか?
セッションというより、直感で「ありかなしか」ということを決めてくださる方でした。最初お目にかかった時も「普段の話し方に品格や時代をにじませる程度で、そのままで大丈夫」と言っていただいて…。僕のこと(芝居)を信じていただけているんだなと、うれしかったですね。
だから現場でも結構好きにやらせていただいたという感覚があります。自分を信じてもらって、自由にやらせていただいて、はみ出したところを監督に切っていただくという感じでした。
歌舞伎の世界にも「自分で盆栽になろうと思ってもなかなかなれない。それにはさみを入れてくれる人が居て初めて盆栽になる。だから好きにやりなさい」という教えがあるんです。思い切り演じてみて、どうしてもというところには監督がはさみを入れてくださいました。
出演:岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介
尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、坂東巳之助、安井順平、谷田歩、金田哲、松下洸平、村本大輔、村上虹郎、阿部純子、ジョナス・ブロケ、大場泰正、坂井真紀、山路和弘、酒向芳、松角洋平、石田佳央、淵上泰史、渋川清彦、マギー、三浦誠己、吉原光夫、森本慎太郎、髙嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明
原作:司馬遼太郎「燃えよ剣」(新潮文庫刊/文藝春秋刊)
監督・脚本:原田眞人
配給:東宝 アスミック・エース
© 2021 「燃えよ剣」製作委員会
公式HP:https://moeyoken-movie.com/
ヘアメーク:Storm(Linx)
スタイリスト:三島和也(tatanca)