“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。9月20日より放送された第19週「島へ」で、主人公・モネこと百音(清原果耶)が、突風で地元・亀島に被害があったことをきっかけに地元に帰る決意をした。10週から19週まで時期的には2016年から2019年まで3年半、百音は東京で過ごし成長した。登米時代は、はっきりしなかった菅波(坂口健太郎)との仲を進展させた東京編を、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
百音、いよいよ地元に戻る
「おかえりモネ」のタイトルらしくなってきた。
宮城県・気仙沼の亀島(架空の島)に生まれ育った主人公・百音が東日本大震災での体験を経て、自身に何かできることはないのかと考えに考えた末、気象予報士となって「未来を予測」できれば皆の役に立てるのではと考える。
東京で気象予報を実践し経験を積み、地域密着の気象予報をやりたいと思いついた百音。これまでの経験と知識を地元のために注ごうとする健気さは人々の心を打つ。
ともすれば、まだ3年で気象予報士としては、まだまだ学ぶこともあるうちに地元に戻ってしまうのはどうだろうかとか、「予報業務ができなくなるし、会社の観測データにアクセスできなくなるのはきつくて」という理由で会社に残ったまま地元で仕事をしたいと考えることが、ちゃっかりしているのではないかとか感じる人もいそうではある。
だが百音の場合、亀島ひいては気仙沼、宮城、東北への想いは日本全国の人々の想いでもあるし、東北に限らず天災から命や生活を守りたい気持ちは誰もが抱くもの。百音のことは私たちの代弁者として応援したくなる。それに“3年”はひとつの区切りとしては悪くない。