吉沢亮が主演を務める大河ドラマ「青天を衝け」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。12月5日に放送された第38回「栄一の嫡男」では、久しぶりに慶喜(草なぎ剛)の近況に多くの時間が割かれた。年齢を重ねた慶喜の佇まい、そして妻・美賀子(川栄李奈)との絆に感動の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
同作は、“日本資本主義の父”と称され新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一が主人公。栄一と江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜とのかかわりを軸に、近代日本の歩みを描く。第38回では、栄一の嫡男・篤二(泉澤祐希)が、跡継ぎの重責から逃れるかのように過ちを犯してしまう姿が描かれた。
そんな中、慶喜は静岡でひっそりと余生を送っていた。時代が明治に移り早20年以上が経過。趣味の写真や絵に打ち込む慶喜の髪には白いものが混じり、終始どこかうつろで寂しげな目をしている。時代が変わっても、慶喜は“朝敵だった過去を忘れてはならぬ”と自身を律し続けているのだった。
その一方で、妻・美賀子との絆は強く、深いものになっていた。ふとした場面で美賀子と目を合わせると互いになんとも慈悲深い表情で見つめ合い、美賀子が大病を患っていることがわかると、慶喜が「そうか…どうか、よろしく頼む」と、泣きだしそうな表情で医師・高松凌雲(細田善彦)に深々と頭を下げる場面もあった。だが尽力の甲斐なく、第38回後半では美賀子の死が伝えられた。