――本作は学生が映画を製作するプロジェクトですが、石崎さんは監督と同世代ですね。
石崎:いい作品を作るために、現場の一人一人が自分の役割を全力でこなそうという姿勢を感じていたので、私も「あ、芝居で返さなきゃ!」と思っていました。この作品に懸けるみんなの思いがものすごく大きくて、自分もそこに関われて本当によかったです。
田村:今までは(現場で)自分が割と年下の方だったんですけど、こんなにも年下が多かったのは初めてだったんです。
でも、自分よりも若い方々が活躍する現場というのは、今後僕が年を取っていけば多々あるわけで。そういう時に現場でお芝居以外の立ち居振る舞いだったり、もちろんお芝居自体もそうですけど、人間どうしても年上の人には気を使う部分もあるので、自分からどう働き掛けていけるかというのを今回は考えていました。これは今後の役者人生にとって、すごくいい経験だったと思います。
石崎:逆に私は他の現場ではベテランの方ばかりで、その方々に頼っていた自分がいたんです。だけどこの作品に関わって自分の中で果たさなきゃいけない責任を自覚して、もう一度腹を決め直しました。
役を背負っているわけだから、これからは大きい役でも小さい役でも、自分がやるからには、責任持って全部出さなきゃいけないということを、この現場感じることができました。今までそれができていなかったのがすごく悔しい反面、今気付けてよかったとも考えています。
――“責任”という言葉、これは主演だからということもある?
石崎:そうですね、私次第で作品の色が変わってしまうこともあるので。紗弓は「自分に似ている」と思いながら入った役ですが、演じながら初めて分かってくることもたくさんあって…いろいろ迷ってしまうこともある中で、監督をはじめ共演者やスタッフの方々、そして周りの人にも支えていただきました。
――田村さんは、石崎さんの座長っぷりを見られていかがでしたか
田村:ほとんどのシーンに出ているので、スケジュールがタイトなわけですよね。だからずっと現場にいて大変だったはずなんですけど、常に笑顔ですごく気持ちいい空気にしてくれていた。素直でハツラツとした雰囲気が、僕も現場で「楽しいな」って感じることができたんです。
石崎さんってすごく男らしいんですよ。疲れた表情は一切出さないし、ちょっと体育会系入ってるからか返事がすごくハキハキしてる(笑)。
石崎:ばれてる、ばれてる…(笑)。
田村:若い方が多い現場で、そうやって背筋伸ばしてやってくれていたことは、周りにいい影響を与えていたんじゃないかなと思います。
――最後に映画公開を待つ方々へメッセージをお願いします。
石崎:この映画は大笑いすることもあればクスっともする。ちょっとウルっとくるところもあるし、苦しくなるところもある。本当にいろいろな感情を味わうことができる作品です。そして最後に「あ~、なんか出てきた人たち、みんなかわいかったな」と感じていただけたらうれしいです。
田村:紗弓という主人公を「いいな」、逆に「いや、私は分かんない」って思ってもいいし、「ちょっと友達になってみたいな」「口説いてみたいな」って思ってもいい。紗弓を中心に映している約1時間の中で紗弓自身の見え方も変化するので、紗弓という人と1時間おしゃべりした感覚で、「ああこういう人もいるんだ~」というような体温を感じてください!
4月22日(土)より下北沢トリウッドにてロードショー
【HP】filmtsp.tumblr.com/