菅田将暉主演のドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)の第1話が1月10日に放送された。菅田演じる主人公を中心とした会話劇で物語が進行する面白さと、それを実現した俳優陣の圧倒的な演技力が視聴者を魅了。タイトルがTwitterの世界トレンド1位を獲得する好スタートを切った。(以下、ネタバレがあります)
菅田将暉と遠藤憲一の演技に息を呑む
同ドラマは、累計発行部数1300万部を突破した田村由美による同名コミックが原作。天然パーマがトレードマークの主人公・久能整(よみ:くのうととのう)が、淡々と自身の見解を述べるだけで難事件や人の心の闇を解きほぐしていく、新感覚ミステリーとなる。
第1話は、整が自宅近所の公園で同級生が遺体で発見された事件で任意同行を求められた。取り調べ室で事情聴取が行われるが、警察の矛盾点をズバズバと突き、一筋縄ではいかない整に刑事たちが振り回される…という展開だった。
社会では“当たり前のこと”とされている常識にも常に疑う視点を持ち、普通は見逃してしまうようなわずかな違和感にも気付く大学生という役どころに挑んだ菅田。膨大な知識と独自の価値観による持論を話していくという、長いせりふ回しが見事だった。
当人は言いたいことを言っているだけながら、その言葉がいつしか人の心をとらえる。ただのおしゃべりから発せられる言葉に説得力を持たせる繊細な表現力を菅田が見せた。
今回の事件では、整を容疑者として先頭に立って追及したベテラン刑事・薮(遠藤憲一)との対峙が見どころに。整が細かい点を突いていく圧巻のクライマックス。言葉とそれを受けてからの心の動きを表現する、菅田と遠藤による演技の化学反応に目が離せなくなった。鍵となった「真実は一つじゃない、人の数だけある」という、キャッチコピーにもされている言葉が際立つ流れにも引き付けられた。