現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-9:00ほか、NHK総合ほか)で脚本を務める三谷幸喜。そんな彼は昨年、2016年に前立腺がんの手術を受けていたことを明かし、主治医の頴川晋氏との対談本「ボクもたまにはがんになる」(幻冬舎)を出版した。同書の担当編集者である幻冬舎の菊地朱雅子氏は三谷からの電話が書籍化のきっかけであり、「読んだ方が、がんになっても怖くないと安心できる本にしたい」と言われたことも明かした。また、担当編集から見た三谷のすごさとして、「どんなお話もとにかく面白くしてしまう、コメディ作家ならではのセンス」と挙げた。
担当編集者も太鼓判「こんなに笑える病気の本はない」
――本書は、三谷さんのがん闘病記となります。このテーマでの書籍化の経緯をお聞かせください。
ある日、三谷さんからお電話があり、「実は5年位前に前立腺がんになって、手術をしたのだけど、そのことについて、主治医の先生との対談本を出したい」と言われました。突然のことで驚きましたが、三谷さんの闘病記が面白くないわけがないと、ぜひに、とすぐにお願いしました。三谷さんは、「読んだ方が、がんになっても怖くないと安心できる本にしたいです」と最初からおっしゃっていて、実際そういう本になったと思います。
――対談における三谷さんの発言で印象深いものをお聞かせください。
三谷さんが面白いのはもちろんですが、主治医の頴川先生もとても会話のセンスがいい方で、お二人のキャッチボールが小気味いいです。特に「リンパ侍」のやりとりは、ぜひ読んでいただきたいです。大真面目になんの話をしているんだ……!と思うこと請け合いです。また、「オペのピークと脚本家のピーク」というところで、お二人のプロフェッショナルな仕事への情熱をお伺いできたのもよかったです。
――担当編集から見た、三谷さんのすごさをお聞かせください。
どんなお話もとにかく面白くしてしまう、コメディ作家ならではのセンスですね。「リンパ侍」、「肛門にチャッカマン」、「大河ドラマでいうと何話目」、「アンコウの吊るし切り」などなど、今思い返しても笑ってしまうお話ばかり。こんなに笑える病気の本は、ないと思います。
――本書の読みどころ、著書を通して伝えたいことをお聞かせください。
「早期発見であれば、がんは怖くないんだよ」ということを、実体験をもとに面白く、わかりやすく、説得力をもって伝えている本です。読んで安心できますし、日々を大切にしようと思っていただけたらうれしいです。