芸能界入りも“ある意味賭け”「勝負強い方だと思います」
――これまで話題作に多く出演されていますが、俳優という仕事の楽しさ、面白さはどんな瞬間に感じますか?
櫻井:僕は「こういう芝居をしたら、こう映ってこう届くだろうな」「もっとこういう動きをした方が分かりやすいだろうな」「相手がこういう言い方をしてるから、こう言ったらもっと届くかな」という感じで、客観的に見て考えて、次はどうしよう?と考えているときが一番楽しいです。もう頭の中で完成していてバッと行ける…というよりも、「どうしようかな」と考えているときが一番楽しい。もちろん本番が始まったらあまり考えませんが、撮影が始まるまで、筋目をいろいろ考えます。本番はその通りに行くこともあるし、行かないこともあるし。でもそれがお芝居の面白さ、生の魅力だと思っています。
――…ということは、何事も準備をしっかりされるタイプですか?
櫻井:そうですね。逆算をめちゃくちゃします。
――明確に目標を置いて、そこに至るまでの道筋を考える…と。サッカーのご経験が生きているのでしょうか?
櫻井:サッカーをやっていたときは、逆にあんまり考えていませんでしたね(笑)。でも、俳優として「考えるのが楽しい」と思えたあたりから、趣味でやっているフットサルでも考えるようになりました。こう出したらこう動いて…と3つ先くらいまで考えて、「あそこにパスを出そう」と(笑)。
――経験を積まれて、“俳優・櫻井海音”としての武器や得意分野は見つかりましたか?
櫻井:まだ全然です! 僕は役によって考え方や向き合い方も全然変わるんです。目指すべきところも役によって違うので、一概に“これを得たい”というのはあまりないかもしれません。
――それでは、今回は切間創一という役柄とどのように向き合いましたか?
櫻井:表情や視線、動き…そういう行動の部分で何か残さないとなと思っていました。予告を見ても「気付かなかった」という方がいっぱいいて、それはうれしかったですね。役者冥利に尽きるなと思いました。
――完成した作品をご覧になって、いかがでしたか?
櫻井:反省点や「今だったらこうしているな」というところはたくさんありますけど、でも出来上がったものは出来上がったものですから。答えはありませんが、「印象に残った」と言っていただくことが多いので、「じゃあ良かったんだな」という感じです。一つ、そのときの僕なりに出せるものを出せたのかなと。
――櫻井さんはお屋形様のように勝負強い方ですか?
櫻井:割と勝負強い方だと思います。
――どちらかといえば、賭けに出るタイプですか?
櫻井:出ますねぇ。例えばどんな賭けに出たか? それは言わないでおきますが(笑)、まだまだ勝負中です。これまでの人生でいえば、僕はずっとサッカー選手を目指してやっていたので、それを一度全部やめてこの世界に入ってきたのは、ある意味賭けだったのかなと思いますね。
2月11日(金)全国公開予定
配給=ワーナー・ブラザース映画
原作=迫稔雄(集英社ヤングジャンプコミックス刊)
監督=中田秀夫
出演=横浜流星、佐野勇斗、白石麻衣、本郷奏多、森崎ウィン、櫻井海音、木村了、鶴見辰吾、村上弘明、三浦翔平
※映画「嘘喰い」公式サイト
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