「ディレクターさんに話したら希望がかないました」(和田)
花村：僕は「Break out」にしようかな。この曲はTVアニメ「オリエント」のオープニングテーマ曲で、候補曲を3曲書いたうちの1曲を“和ロック”にアレンジしてもらっています。歌詞は、夢に向かって進もうとする時に、それが世間から見て少数派とされても、自分を信じて、反対意見を笑い返す強さを持っていたいというメッセージを込めました。
和田：僕は「NIGHT OWL」。楽曲提供をしてくださった佐藤千亜妃さんの曲が好きで、ディレクターさんに話したら希望がかないました。今までDa-iCEにはなかったような楽曲で、振り付けも新しい感じになっていて…。
一同：ん!?
和田：あっ、振り付けはこれからですけど、でも面白くはしたいなぁと思っているので。まだ思い描いているだけですけど、ダンスというより演技に近いようなアプローチとか、1人ずつ踊ってもいいだろうし、楽曲からいろんなイメージをもらえるので楽しみです。
工藤：僕はドラマ「ユーチューバーに娘はやらん！」(テレビ東京系)の主題歌「SWITCH」の作詞をさせていただきましたが、主人公の女性を中心に、テレビ局員とYouTuberとの三角関係という構図を企画した秋元康さんはさすがだなと。楽曲でも、AメロはYouTuber、Aダッシュはテレビ局員、Bメロは主人公の女性視点で書いています。
大野：あっ、じゃあライブでBメロを歌う時は女装した方がいい？
工藤：いや、そこまでしなくて大丈夫(笑)。
岩岡：僕はEPの最後に収録されている「Kartell」。自分たちが積み重ねてきたものへの思いや、超えるべきハードルへのアンチテーゼなど、僕たちの決意表明とも言える曲になっています。でも、それは聴いてくれた人たちにも当てはまるところがあると思うんです。ストレートな頑張れという応援歌とは違うかもしれないけれど、置かれた環境の中でもどかしい思いをしている人たちの支えになれるような力強さがあると思っています。
「今のDa-iCEの音楽を知ってもらえたらと思います」(工藤)
――ちなみに、そういった感想は作曲者(工藤)には伝えているんですか？
岩岡：あぁ、もう僕が言った通りやってくれたんで及第点にはなっていますね。
花村：実は徹くんが裏で指示していたと(笑)。
工藤：あははは(笑)、でもこの曲を披露した時、徹が一番最初に僕が作った曲だと気付いてくれたんです。
――詳しく教えてもらえますか？
工藤：デモの試聴会では、作曲家さんからの候補曲を一斉に流すんです。想太は自分の声で歌を入れてくるけど、僕は他の方に仮歌をお願いするので、みんなには僕の曲とは分からない。でも、「Kartell」が流れた時に、隣に座っていた徹がチラって僕のことを見たから「あっ、気づいた！」って。
岩岡：もうイントロで「これ工藤さんだ」って思いました。
――その決め手は？
岩岡：ライブを重ねていくと「こういう曲があったらいいな」とか、今のDa-iCEが必要としている曲を自分たちでもなんとなく感じるんです。「Kartell」は、まさにそれを形にしてくれていた曲だったので。
花村：ただ、最初のテーマは「夏フェス」とか「太陽の下でみんなで盛り上がれる曲」だったんですよ。そういう曲が並ぶ中で1曲だけ、すごいハードな曲が入ってきて(笑)。でも、みんなで話して「圧倒的にこれだね」と満場一致でした。しかも「結果、一番盛り上がるけど！」っていう。
工藤：勝負を懸けました。
――制作エピソード1つをとってもグループとしての10年の歴史や絆を感じますね。
工藤：今回は表や裏など二面性、“REVERSi”のある世界で、「白黒をはっきり付けて突き進む」という意味を込めて、チャレンジ精神や、決意表明を詰め込んだ作品になりました。「CITRUS」で知っていただいた方にも、今のDa-iCEの音楽を知ってもらえたらと思いますし、Da-iCEとしては応援してくださる方と共に過ごしてきた10周年を経て、ここからさらに未来に向かって長く続けていけたらと思っています。
取材・文＝原千夏
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