春ドラマ ホントの評判をドラマ解説者&視聴者の声で分析!「CRISIS―」編
ついにスタートした春ドラマ! 異色の推理ドラマ、正統派ラブコメディー、本格派アクションなど、話題作の盛り上がりどころをドラマ解説者・木村隆志、ドラマ評論家・田幸和歌子、視聴者の声(TwitterなどのSNSや編集部独自調査から集計)のナマ声からリサーチ!空前絶後のアクションが満載の「CRISIS―」(毎週火曜夜9.00-9.54、フジ系で放送)を分析
「助けるべき人間か?」を問う、勧善懲悪ではない展開が肝
最大の見どころは、武術カリ・シラット。第1話冒頭に新幹線でのアクションを持ってきたのは「これを見てくれ」という強烈なメッセージ。息つく間もない攻防は1年以上にわたる訓練のたまものであり、楽しげに戦う稲見、クールで冷酷さを持つ田丸と、個人の戦い方にもキャラがはっきり。また、特捜班の5人を圧倒的なスキル&メンタルを持つ規格外の人物として描きつつ、その裏に潜むトラウマも徐々に明かされていく。今後のポイントは、敵の「平成維新軍」から「ウソをつき、私腹を肥やす」と言われる政治家・官僚側に付くことで、「助けるべき人間か?」と葛藤する姿。勧善懲悪ではなく、人間くさく業の深いヒーローが最後にどんな結論を下すのか予想がつかない。第1話の序盤は犯行手法などが定番で、犯人の心理描写に物足りなさを感じたが、金城一紀さん脚本なら「BORDER―」('14年テレビ朝日系)で見せたような驚く展開を用意していそう。(木村隆志)