「父の偉大さを身に染みて感じる」
――お父様・藤岡弘、さんは今回のドラマ出演について何かおっしゃっていましたか?
僕自身高校を卒業したばかりなので、「一番高校生らしさが分かると思うから、純粋に君が楽しんでやるのが一番いい」と言われました。「変に作り込まずに、純粋な君を出せばいいし、自然体で演じることができれば君にとっての葵くんが出来上がるよ」と言ってくれました。
――ご兄妹のリアクションは?
「えぇー!キスするの!?」って聞かれましたね(笑)。少女漫画って聞いてそういう展開を想像したみたいで、最初はそう茶化されました(笑)。でも、泊りがけで撮影に行って帰ってきたときなんかは「お疲れさま」ってねぎらってくれて、話を聞いてくれるし、みんな応援してくれています。
――今回、連続ドラマ初挑戦とのことですが、ドラマをやってみて改めて分かったお父様のすごさを教えてください。
今の時代こそ、撮影機材も進化して何度も撮り直しができますが、父の時代はフィルムで撮っていたこともあって、限りがあったと思うんです。何度も撮り直せないので、よく父は「一発に懸けている」と言っていました。一発で撮り切るという思いがあるから、役者もカメラマンも監督もスタッフも、全員がより緊張感を持っていて、今よりももっと大変だっただろうし、今よりももっと難しかったと思います。
僕は父という存在がいて、今もいろいろアドバイスをもらえますが、父は昔、何も分からない状態で一人上京してきて、芸能の世界に入って撮影に臨んだのだと思うと、すごいなと思います。
「仮面ライダー」はいきなり主演だったわけですから、プレッシャーや壁を乗り越えてやり切って、しっかりと爪痕残したことを思うと、父の偉大さを身に染みて感じます。今回のドラマに限らず、この世界に入ってからずっと感じていることです。
――お父様は、「仮面ライダー」や、SFサムライ映画「SFソードキル」でのハリウッド進出、大河ドラマではさまざまな歴史上の人物を演じるなど、多彩な役柄をこなしてこられましたが、藤岡さんが今後挑戦してみたい役はありますか?
僕は、昔からアクション系の洋画を見ることが多いんです。海外作品は、スケールも大きいし迫力もあるし、掛けている制作費もキャストもスタッフも桁違いだから、見たときの感動がすごいんです。
もちろん今はいろいろな役に挑戦したいという気持ちが大きいのですが、体を使って表現する世界を知ったことが、僕が俳優を目指したきっかけの一つなので、アクション映画で体を使って表現することに憧れがあります。