坂口健太郎コメント
――月9ドラマ初主演ですね。
僕は月9というと、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(2016年)以来の出演になります。フジテレビ制作の作品も久しぶりですね。身が引き締まるというのはどの作品も同じなのですが、“月9枠で杏さんとW主演”というのは、もう一段上の気合が入った感じがします。
今回、公正取引委員会の話だと伺った時は、正直良くわかりませんでした。もちろん、公正取引委員会という名前を聞いたことはありますが、弁護士ものや警察ものとは違いそうですし…。一体、どういう話になるんだろう?と思いましたが、台本をいただいて一読したら、ものすごく面白い話だったので、楽しく撮影に臨めそうだなと思いました。
――小勝負を演じて、意識されているところは?
ストーリーの中で“悪”となる人物がいるんです。小勝負がそんな悪と対峙(たいじ)する時、そんな悪によって救われている人もいることも考えてしまうんです。ですので、小勝負としては100%の正義でポジショントークをしてはいけないと、どこかで思っています。そういったシーンを演じるのはすごく難しいですね。
小勝負のパーソナリティーについては、全てが明らかになっていません。小勝負は、過去に何か深いものを抱えていそうなんです。それが何か分かるまでは捉えどころのない人物でいようと思っていますし、さりげなくポンッと放った言葉が相手に効くような存在になれたら良いですね。
――杏さんとの共演はいかがですか?
小勝負は、杏さんが演じる白熊と一緒に行動することがすごく多いんですが、小勝負と白熊としての僕と杏さんの空気感は自然と出来上がっていきました。小勝負が所属するダイロク(公正取引委員会 審査局 第六審査)の皆さんとお芝居をするときは、そんな小勝負と白熊の雰囲気が一緒にいる皆さんにも伝わっているからか、現場の空気感がすごく心地良いです。現場の空気感は、どうしても作品に出てくると思いますので、心地良い空気感のある作品になっているんだろうなと思いますね。
――視聴者へメッセージをお願いします。
このドラマで描かれる公正取引委員会というのは、“弱小官庁”なんです。僕自身、時には“戦わずに負けても良い”と思うことがあります。そんな中で、小勝負の“弱くても、戦わなきゃいけない”というせりふが僕は好きなんです。まだまだうっ屈とした世の中で、小勝負、白熊、そしてダイロクメンバーといろいろな人物が登場しますが、彼らがやっていることを見て、次の日のちょっとした活力やパワーにしていただけたらと思いますし、そんな作品になるのではないかなと思っています。
杏のコメント
――7年ぶりの月9ドラマ出演になります。
フジテレビのスタジオに帰ってくるのも本当に7年ぶりでしたので、社会情勢もこの7年でガラッと変わった中で、また月9というエンターテインメントを皆さまに届ける枠に戻ってくることができたのはすごくうれしいし、演じる意義みたいなものを感じています。
――台本を読んでの感想を教えてください。
公正取引委員会という組織にはなじみがありませんし、せりふの専門用語も口にしたことがなさすぎて、難しいんです。でも、白熊として演じていると、実は私たちの身近な世界を扱っていることが分かってきました。私たちが普段触れる商品が、いろいろな競争を経て価格が決められて世に出されているんだということですね。企業間の正当な競争がないと、資本主義世界は回っていきません。そんな“競争の番人”、不正が起きないように審判として目を配る方として公正取引委員会があるということは新鮮でした。
一方で、弱小官庁で…というエピソードもあるのが面白いですよね(笑)。実際に公正取引委員会の方に監修に入っていただいていますので、リアリティーがありつつ楽しい作品になっていると思います。
――白熊を演じて、意識されているところは?
まずは、新しいことを始めるのに、今までにお見せしてきた私へのイメージを一度なくして、新しい役として見ていただくために髪をカットしました。白熊はもともと警察官だったのですが、いろいろとあって公正取引委員会に飛ばされた人物です。ですので、最初は不本意な気持ちでいますし、“なんなのここ?”という感じは、視聴者の皆さんと同じ目線で、寄り添いながら物語を進めていく存在になると思います。
最初のうちは白熊は戸惑ったり、疑問を感じたりしています。ストーリーがどんどん進むにつれて、白熊が公正取引委員会で働く意義を見いだしていきます。社会人としてある程度経験を積んだ上で、まるっきり違う職場に移る白熊ですが、そんな白熊のように30代半ばで転職される方も多いと思うので、まるっきり違う環境で仕事を始めるという白熊の気持ちは、多くの方々に寄り添っていただけて、応援していただけるのではないかなと思います。
――坂口さんとの共演はいかがですか?
映画での共演はありましたが、タッグを組むようなお芝居をするという意味では初めてです。小勝負と白熊の関係も自分たちとかけ離れたイメージを持ち込むことなく、自然な感じでできていますし、年齢も近いので、考え方などにギャップを感じることもなく、一緒に演じるのは楽しいですね。
――視聴者へメッセージをお願いします。
この作品をきっかけに公正取引委員会の歴史はまだそんなに古くないことを知りました。商売の歴史はずっと続いているのですが、そこに“競争を守る”という概念を取り入れたのは戦後からということなんです。今の生活で販売されている水は何百、何千種類とあり、デザインなど全てが競争の中で取り扱われているんだと知って、スーパーに買い物に行った時のちょっとした目線が変わった気がします。
そんな競争をジャッジするのが小勝負や白熊なのですが、その中でいろいろな人の人生と社会が混ざり合っていく様子が、うまく表現されていると思うのでワクワクしています。このワクワク感を皆さんにも味わっていただけたらと思います。
野田悠介プロデューサー(フジテレビ第一制作部)のコメント
――企画意図を教えてください。
“企業の不正を暴き、弱者を救う”。一度は聞いたことがあるけど、何をしているのかまではあまり知られていない公正取引委員会。警察や検察のように逮捕や強制捜査などの権力もない、税務署のように身近な存在でもない。ただ、公取委の方々は人知れず、競争を歪めようとする企業の不正と向き合い、消費者の方々に不利益を被らせないように努め、公正な競争を促進している。行っている仕事は本当に地味かもしれませんが、新川先生の原作を読んだ時、立場の弱い人たちの背中をそっと押す、応援歌としてのメッセージも感じました。
2クール連続で新川先生の原作をドラマ化させていただくことは大変光栄で、新川先生からは“原作とドラマでどちらが面白い作品を作れるか競争ですね”と仰っていただいているので、視聴者の方々にも原作とドラマで二度楽しめるドラマに仕上げていきたいと思います!
本作は働いている人なら誰しもが共感できる親会社と下請け企業、上司・部下の関係性、企業間などの横のつながり。いろいろなしがらみがある中で、公正取引委員会がどのように救っていくのか。そして第六審査に所属する6人のメンバーたちの個性豊かな掛け合いも本作ならではの魅力の一つです。ドラマ史上初めての公正取引委員会を舞台にした凸凹バディのエンタメ・ミステリーを、ぜひお楽しみに!
――キャスティングについてお聞かせください。
このドラマを盛り上げるべく、今をときめくすてきな主演のお二人に参加していただきます!
坂口健太郎さんは小勝負勉という、誰に対しても物おじせず、他の人とは違う着眼点を持っている人物です。一見つかみどころのない存在だが、内に秘める芯の強さがあります。その原動力となった案件は何なのか? 物語が進む中でそのベールが明かされていきます。柔らかさと芯の強さを同時に体現できるのは坂口健太郎さんしか思い浮かびませんでした。
そして、杏さんは白熊楓を演じていただきます。実直で、頭より気持ちと体で体当たりしていく性格。一直線な熱さを持つため自分のことは二の次。白熊というキャラクターを演じるため、杏さんは髪を切り、イメージを一新して役作りをしていただきました。杏さんが持ち合わせる前向きさ、ひた向きさ、立場の弱い人に対する寄り添い方など、白熊楓を体現していただけると思いました。
それぞれ性格もやり方も違う個性的な凸凹バディに、ぜひご期待下さい!