コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、とあるスーパーの喫煙所を舞台に、疲れ気味のサラリーマンと、ひとりの女性店員のやりとりを軸に物語が展開していく作品「スーパーの裏でヤニ吸う話」をピックアップ。作者の地主さんが2022年3月9日に同作第1話をTwitterにて投稿。そのツイートには19万(2022年6月2日現在)のいいねが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。この記事では、地主さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
ブラック企業勤めのサラリーマンのささやかな“癒やし”
本作は、ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐々木が、行きつけのスーパーに勤務する女性店員・山田からひそかに元気と癒やしをもらう短編漫画。あるとき買い物を終えた愛煙家の佐々木がタバコを吸える場所を探していると、スーパー裏から手招きする女性の姿が。ライダースジャケット姿でロックなファッションスタイルの田山という名の女性は、佐々木が好意を寄せる山田の同僚だと言い、一緒に一服する仲になっていく。いつの間にか喫煙所仲間になった佐々木と田山は、仕事の悩みを打ち明け合うなど、互いに心を通わせていくが、実は田山には佐々木に隠していることがあり、その秘密がストーリーのカギになっている。
佐々木の純粋な優しさや、田山の少し不器用な一面が魅力的に描かれる本作。特に、ふたりのやりとりの中で生まれる、佐々木のピュアな反応にはつい頬が緩んでしまう。Twitterの引用リツイートでは、「また最高なツイ漫画に出会ってしまった...」「田山さんも可愛いけどおっさんが超可愛いのでオススメ」など、多くの感想コメントが寄せられている。現在(2022年6月2日)はTwitterにて13話まで更新されているので、気になる人はチェックしてみよう。
「心の距離が近づいて行く様子を描きたい」優しさの表現にもこだわりを
――「スーパーの裏でヤニ吸う話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
現在、月刊ビッグガンガンという漫画誌で『ロクレイ-天成市りんね区役所第六感部助霊課活動記-』という漫画を連載させて頂いているのですが、担当編集さんから「創作作品を作る練習として傍らで短編漫画を描いてみたら?」とアドバイスしていただいたのがきっかけです。
――普段マンガを描く時は、どのようにしてアイデアを思いつくのでしょうか?
散歩している時が多いです。歩きながら「こういう場所にこんな人がいたら面白そう」みたいな妄想をしています。散歩中に見た人や出来事、お店の中で聞こえてきた会話の先も勝手に想像したりしてしまいます。
あとは寝る前に、布団の中で漫画の事を考えながら寝転がってる時に思いついたりするんですが、そのまま眠ってしまって「すごく好きなネタが浮かんだのに」と、忘れて辛い思いをすることもあります。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
田山さんと佐々木さんの心の距離が近づいて行く様子がこの漫画で1番描きたいものになります。そこが伝わりやすいように、目線や表情にはこだわって描いています。なので、空気感や表情の変化などを見て楽しんでいただけたら嬉しいです。
田山さんから佐々木さんへのアプローチは、毎度何度も書き直しているのでここ頑張ってるなーとか思っていただけると励みになります。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
シーンとしては6話で、田山さんが自販機の前で佐々木さんに「こちらこそ」と言うところです。
あそこで田山さんが何を思っているのかは、読者さん一人ひとり違う感じ方があって良いと思っているんですが、どちらにせよ田山さんの気持ちを覗き見したような、ドキドキがあり気に入っています。
セリフだと1話の「頑張ってお上品でいてね佐々木さん」です。語感が好きだからという理由が大きいですが、ここが2人の始まりなんだろうなと思います。
――本作に登場するキャラクターのこだわりなどございましたらお教えください。
田山さんも佐々木さんも優しい人間ですが、全く違う人間でもあるので優しさの表現の仕方については違いを出せるようにしています。
――今後の展望や目標をお聞かせください。
現在執筆させていただいている月刊連載と並行して、佐々木さんと田山さんのお話も大切に描いていきたいです。そのためにはもっと速く、上手に漫画を描けるようになる必要があるのですが、楽しむことを忘れずに頑張りたいと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
毎週、佐々木さんと田山さんのお話を楽しみにして頂いてありがとうございます。これからも2人を暖かく見守って頂けると嬉しいです。