俳優の小泉孝太郎が30日、都内で行われた「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」(6月19日放送・配信開始、毎週日曜夜10:00-ほか、全5話)の完成報告会に、共演の泉里香、薮宏太(Hey! Say! JUMP)、陣内孝則、メガホンをとった内片輝監督とともに出席した。
台本を読み「苦しい作品になると覚悟を決めた」
ベストセラー作家・松本清張が「点と線」に次いで発表、社会派推理小説の起点になった記念碑的な作品でもある「眼の壁」(新潮文庫刊)を、没後30年記念でWOWOWが待望の連続ドラマ化。主演に小泉を迎え、バブル終焉期の1990年に舞台を移しミステリアスな世界観を蘇らせる。
強い正義感を持ち、手形詐欺の真相を追いかける萩崎⻯雄役を演じる小泉は、撮影前に台本をすべて読んだそうで「“苦しいな、萩崎”だったんですよ。やりがいのある作品を頂いて本当にうれしかったですし、ただ、これは苦しくなるなと。それは現場に行ったときに感じましたね」と回顧。
「まともなのは萩崎くらいなので、誰を信じていいのか、何を信じて進んでいけばいいのか、あの苦しさというのはなかなかない作品でしたね。役者としてのやりがいはありますけど、苦しい作品になると覚悟を決めた作品でした。その分、今は達成感、満足感に包まれています。素晴らしい作品と出会えたこと、心から感謝しています」と感慨深げに語った。
泉里香とのダンスにはドキドキ
そんな苦しい撮影の中でも、泉演じる事件の鍵を握る“謎の美女”上崎絵津子とのダンスシーンは別の感情があったようで、泉が「ダンスも小泉さんと至近距離だったので、練習もそうなんですけど、本番も終始ドキドキしていました」と打ち明けると、小泉は「こちらこそです。唯一、そこが癒やされたのかもしれない(笑)」と笑顔で語った。
3歳の頃から知り合いという上地雄輔に感謝
さらに、3歳の頃から知り合いという上地雄輔が演じる新聞記者・村木満吉が、萩崎の親友という設定について聞かれた小泉は「(上地は)本当に特別な存在なので、その雄輔と今回、親友役ということが一番不安でした」と吐露。
「仲がいいからこそ、そこでお互いに甘えが出たら嫌だなと本当に不安だったんです。だけど、結局、僕はものすごく雄輔の存在に救われましたね。『出会った中で1番感謝したよ』って本人に言って、ご飯を奢りましたからね」と上地に感謝した。
■取材・文=風間直人