――「目の雫」を拝見しましたが、ストーリー展開にとても驚きました。
僕もなぜ、あのストーリーを作ろうと思ったのか分からないです(苦笑)。制作する際に、一番悩んだのがストーリーで、発想力が乏しかったので何にも思いつかなくて、3カ月ぐらい使ってしまいました。でも、明確なビジョンはあったんです。どんなキャラクターで、どんな家で、どんな森に住んでいるのか。ただストーリーだけが思いつかなかったので、セットのイラストを描いたり、人形作りから始めました。それでもまだストーリーは思いつかなくて、時間だけが過ぎていって…。
そんなある日、知り合いのギタリストの伊藤ゴローさんが北海道の洞爺湖付近でライブをするので手伝いに来てくれと言われて、設営などを手伝った後に演奏を聴いていたら、僕が思い描いていた世界観にすごくマッチしていて、ストーリーも降ってくるように明白に見えてきたんです。
――反戦を訴えるメッセージが含まれているように感じましたが、いかがですか?
当時の時代背景から意識したところもあるかもしれませんが、戦争反対のメッセージというよりは、人間の本質みたいなものを考えて入れ込んだように思います。この作品で伝えたいと思ったのは、人が大切な人を失った時、どうなるのか? ということでした。
当時の僕は運命の人というのも、結婚もピンとこないし、もっと言えば人を好きになるってどんなことだろうと思っていたので、僕自身が分からないことをこの人形たちに体現してもらいたいという気持ちでした。
それで、発表会で多くの方に見てもらい、ディスカッションできる時間があるので、見た皆さんの感想を聞きたいと思ったんです。でも、その思いは僕がものづくりをする時、全てに共通していることだと思います。
――それにしても22分の作品を、人形やセット作りから撮影、編集まで1人で行ったというのはすごいことだと思います。
最初はちょっと長めに5分ぐらいのものを作ろうと思ったんですけど、気付いたら22分になっていて(笑)。自分でもよくやったなと思います。技術的に難しく、苦労したこともたくさんありましたけど、一つ一つをクリアしていくことで自分のなかに自信が生まれていったように思います。
――でも、もう一回やってと言われたら?
無理ですね(笑)。独学でFinal CutやiMovieをうまく利用して作ったんだと思うんですけど、本当にどうやっていたんだろう? 16万枚ぐらいの写真を繋げてるんですからね…。これが動画ならiPhoneで撮って、iMovieに入れたらポーンってできて、それをカットしたり、文字を入れたりしたらできますけど、写真ですからね。しかも128ギガのMacBook Airしかなくて、それで22分間の写真を一度に動画にすることは無理なので、外付けのハードディスクに5分ずつぐらいに分けて保存して、ちょっとずつ作業してたと思うんです…。それでもMacが熱くなると、ぷーん! バン! ってなってデータが飛ぶので、下に氷を敷いて、「頑張れ、頑張れ!」って言いながら作業してたことを今、思い出しました(笑)。あー、懐かしい!
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