胸がアツくなる!バスケットボールとの出合い
タナシス、ヤニス、コスタス、そして五男のアレックス。彼らは幼い時は父の影響でサッカーに夢中だった。サッカーゲームを楽しみ、生活費をやりくりして買ってもらったサッカーボールで父子一緒に遊んだ。
そんななか、サッカーコートの隣にあったバスケットボールコートでゲームをしていた若者たちのグループにタナシスとヤニスが参加。ヤニスはトラベリングをしてしまうなどルールも分からない状態だったが、リーチの長さなど恵まれた体格は武器になり、1人の若者から、無料のユース・クラブに参加してみないかと誘われた。
だが、ここでも市民権がないことの影が落ちる。父はバスと地下鉄を乗り継いで片道1時間20分かかる町まで行かなければいけないことを不安視。常にある不法滞在の通報の恐れから守ってやれないからだ。一方、母は同じように家族を大事に思っていても、子どもたちの笑顔、夢を守ってあげたいという気持ちも強かった。
そんな経緯を経てヤニスたちはバスケットボールにのめり込み、頭角を現していくのだが、その先もまだまだヤニスたちには苦難が待ち構えていた。それを家族一緒に乗り越えていく。その先にあるのがNBA選手への道だ。
栄光をつかむまでにあった家族の物語。家族の絆があったからこその挑戦と、チャンスをあきらめない姿に胸を打たれる。
もちろん、バスケシーンにも注目だ。ルールも何も知らなかったところから始まり、努力を重ねて眠っていた才能が開花していく。手に吸い付いているようにボールを操る場面には感動を覚える。
ラストには、ユース・クラブ時代に1つのバスケットボールシューズを貸し借りしていたヤニスとタナシス、そしてコスタス、本人たちのNBAでの活躍シーンも映し出される。さらなる活躍が期待されている彼らの物語をこの機会にぜひ。