第11話レビュー
実家である「まんぷく屋」に戻った佐都の元を、すっきりとした表情の久美が訪ねて来る。久美は圭一と家庭内別居をしていると話し、「つらい思いをさせた」と佐都に謝るのだが、佐都は、圭一そして健太から言われたことを物ともせず気丈に振る舞う。また、久美が楽しそうにまんぷく屋の手伝いをする場面も。
今まで圭一から抑えつけられ、従順に役目を果たしてきた久美を知っているだけに、本音をさらけ出した“新しい久美”としての一歩を応援したい気持ち、そして、見ているだけでこちらまで晴れ晴れとした気持ちになった。
そんな中、記憶がないながらも佐都のことを考え、健太が切なそうな表情を見せる場面が。その後、健太は、周りの人たちから佐都について話を聞き、佐都へ直接思いを打ち明ける。
前話で、記憶喪失の前後での健太の演じ分けが話題になった松下。ここでも、せりふだけでなく、健太の目線やしぐさの一つ一つから、抱えるつらさがひしひしと伝わってきて心を打たれた。一方で佐都は、先ほどの久美や、健太にまでも太陽のように明るく、相手を元気づけるように接する。深山家に関わる人たちだけでなく、見ている私たちも佐都の明るさや強さ、優しさに今まで救われ元気をもらってきた。佐都は深山家に必要な存在だと強く感じ、しきたりに縛られながら暮らしてきた健太が、佐都と出会い引かれていった理由が改めて分かったような気がした。
その後、予告映像にもあったように、「3人でやり直すことにした」と、佐都と健太らは深山家へ戻る。しかし、明人の計画が実行に移され、佐都と健太は、深山グループの経営破綻の危機に立ち向かうことに――。