柴咲コウ主演の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK総合ほか)に、人気プロレスラー・真壁刀義が出演している。
真壁演じる力也は、屈強な男で、まさに力でのし上がってきたといった雰囲気を持っており、柳楽優弥演じる龍雲丸が頭を務める龍雲党の一員として、大きな存在感を放っている。今回、大河ドラマへの意気込みや、共演者の印象などを聞いた。
――大河ドラマの出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
「えっ!? 何言ってんの?」「俺にオファーが来るわけがないだろ!」と、マネジャーに2度聞きしましたよ。でもどうやら本当らしいと分かって、そこからは「何でだ?」という疑問に変わりましたね。
とにかく衝撃的でした。最高の栄誉を頂いたという喜びから、大河ドラマへの出演というプレッシャーに代わり、そして、大舞台を用意してくださった方々に恥をかかすわけにはいかないなという責任感を持ちました。
――大河ドラマにはどのようなイメージがありましたか?
“一流の役者だけが集まっているステージ”ですね。そういった特別な空間だと思っていた中にプロレスラーが、“スイーツ真壁”が、加わるんですよ。アンバランスなんじゃないかと感じましたね(笑)。
――力也の役作りの仕方を教えてください。
「役を演じる」ということを今までほとんどしたことがなかったんですよ。“無”だったんです。なので、与えられたステージでいかに自分を見せようか考えました。
そして結論として真壁刀義という人物を前面に出していこうという答えになり、そこで勝負するべきだと思ったんです。とにかくね、びびりましたよ(笑)。
――龍雲党の派手な衣装は、力也という人物にぴったり合いますね。
いわゆる歌舞伎者の姿ですね。力也は、大柄で力持ちで粗暴なイメージの人物で、俺が普段リングで巻いているチェーンの代わりに、真っ赤な綱を巻いているんです。
でも最初の衣装設定では、首に綱を巻いていなかったんですよ。衣装を合わせたときに衣装の方から、「これ、赤い綱を首周りに巻いたらいいんじゃないですか?」と、言われて巻いてみたら、その瞬間にすごいしっくりきましたね。
――龍雲党の頭・龍雲丸を演じる柳楽優弥さんの印象を教えてください。
龍雲丸は腕もたち、頭もキレ、人情味に熱い男なんです。一方で、普段の柳楽君がどうかというと、少し“ほわん”とした方なんです。でもそこがね、ソフトな感じでいいんだよ。敬語もしっかりしていて、人の心に“すっ”と入り込んでくる。さらに、一般人として当たり前のことが当たり前にできるんです。
その柳楽君の人間味に引かれましたね。本人の中身も龍雲丸と同じでおとこ前! 一党の頭には持ってこい。
――主演の柴咲コウさんの印象は?
“にこっ”と笑顔になる演技を遠目から眺めていたんだけど、すごいですよね。人が、気持ちよくなる笑顔をするんです。「この人は美しいな」と思いました。俺が“にこっ”としたら顔がひきつっちゃうだけだから(笑)。
――大河ドラマに出演することで、さらに幅広い層に真壁さんが知られることになりますね。
プロレスラー・真壁刀義が、新たなジャンルでどこまで行けるのかという挑戦です。プロレスではありとあらゆるタイトルを取ってきているんですよ。そこから今度は、「ドラマを見ている人の感情を揺さぶる演技ができるのか」「バラエティーで笑いが取れるのか」など、真壁刀義という可能性を広げていきたい。
そして、俺を入り口にしてプロレスというものをより多くの人に知ってもらいたいですね。いつか、柴咲コウさんをはじめ、「直虎」の出演者全員に自分の試合を見に来てもらいたいです。
毎週日曜夜8:00-8:45ほか
NHK総合ほかにて放送中
■Profile
1972年9月29日生まれ
新日本プロレス所属のプロレスラー
「WORLD TAG LEAGUE」史上初の2連覇など、多くのタイトルを獲得
バラエティー番組を中心に多方面で活躍中
https://twitter.com/@GBH_makabe