多くの人々が共感する物語が展開
キャスのほか、ベイマックスが出会うのは、腰痛に悩むおばさん・キコ、生理という体の変化が訪れた12歳の少女・ソフィア、魚アレルギーを発症してしまう魚スープの店を経営する青年・モビータ、盗み食いしてワイヤレスイヤホンを一緒に飲み込んでしまった野良猫と多種多様だ。
ケアするために、ちょっとおせっかい気味にもなってしまうベイマックスの治療をきっかけに、それぞれが抱える悩み、思いが明らかとなっていく(野良猫も切ない思いを抱いているのだ)。その悩みや思いは、誰しもが感じてきたこと、あるいはこれから感じるであろうことだ。そんなとき、寄り添い、的確なアドバイスをしてくれるベイマックスの存在はなんと心強いことか。
ベイマックスのいる優しい世界は何度も見返したくなる魅力にあふれている。複雑な現代社会のなかで、シンプルに大切なところを突く。トランスジェンダーや同性愛といった多様性をさりげなく、当たり前に描いていることにも反響が寄せられている。
第1話から第5話までは、エンドロールの合間にヒロが登場するシーンも。数秒ながら、ベイマックスとヒロが心を通わせ続けていることがよくわかる描写になっている。
ベイマックスの開発者で、亡くなったヒロの兄・タダシが「思わず抱きしめたくなる」ことを目指したビニール製のボディ。そのふわふわしたボディを揺らしながら、いつか自分のところに現れてくれないかなと思ってしまうのである。
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