歴史上では、信長、秀吉、家康と三英傑に仕えたとされる。なかでも秀吉の天下統一に大きな役割を果たしたが、秀吉からその才能をかえって警戒されるほどたったという逸話も。
第1話ではクラスメイトたちがドローンの中継で信玄の戦いぶりを見るなかで、官兵衛が解説していると、いいところを秀吉が横取りし、そんな秀吉に官兵衛が怒る場面があった。本来の秀吉と官兵衛の関係性を考えても面白い。
そんな他の武将たちとの掛け合いの間合いもだが、きっと何か考えているであろうと予期させる表情作りのうまさが、演じている濱田の真骨頂だ。
大河ドラマでも官兵衛に関する役を経験している濱田岳
濱田は、1988年生まれの34歳。1998年にドラマ「ひとりぼっちの君に」(TBS系)でデビューし、2004年の「3年B組金八先生」(TBS系)で注目された。
その長いキャリアで出演作もかなりの数となり、主役でも脇役でも、そしてコメディでもシリアスでも光る演技力は誰もが知るところだ。記憶に新しいところでは、2022年4月期のドラマ「マイファミリー」(TBS系)では、娘を誘拐された主人公の友人ながら、関連する事件を密かに引き起こしていたという難役に抜擢。30分に及ぶ告白シーンなどで、サイコパスではない、苦しみや悲しみ、葛藤を背負った人物像を体現し、視聴者はその演技に感嘆した。
そして、官兵衛の役には縁もつながっている。官兵衛が主人公となった2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK総合)では、官兵衛の信頼厚い家臣の栗山善助を演じた。その後、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合)の最終回に官兵衛役で登場した。
今回はクローンの高校生官兵衛ではあるが、濱田がその知将ぶりをどう見せてくれるのか楽しみだ。本作は第1話、第2話と続いてタイトルがTwitterのトレンド入りする反響を呼んでいるが、濱田演じる官兵衛の人気も高い。「こんなに表情だけで雄弁に語るのかと驚かされる」「出てくるたびに、惹きつける表情をする黒田官兵衛」「官兵衛が恐ろしくなってきたな、、なにを企んでいるんだ」といった声が上がっている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部