俳優の永野芽郁が8月23日に都内で開催された映画「マイ・ブロークン・マリコ」舞台あいさつ付き完成報告試写会に、奈緒、タナダユキ監督と共に出席。コメントの途中で感極まり涙を流す一幕もあった。
清純派のイメージを封印
同作は2019年に「COMIC BRIDGE」で連載され、翌年単行本化された平庫ワカの同名コミックが原作。永野が演じるのは、鬱屈した毎日を送るやさぐれたOL・シイノトモヨ。これまでの清純派のイメージを封印し、タバコをふかし、荒々しい口調や態度で、泥臭く人間味溢れるシイノを表現する。
同作の完成に永野は「本当に見て後悔しない作品ができた」と自信。「もしかしたらファンの方は『えー芽郁ちゃんじゃなーい』とちょっと衝撃を受けるかもしれないですが、絶対に見て後悔はさせない」とギャップを感じさせる役どころにも胸を張った。
オファーを受けた際には「やりたいけどやりたくない」とも感じたそう。原作を「とてつもない漫画なんです」とした上で、「これだけ漫画で成立しているものを映画でやって、しかも私がシイノをやって、原作をすごく好きな方たちはきっと『なんで』って思うだろうし、期待に応えられる自信がなくて。シイノをやるには表現力も技術力も足りてないんじゃないかって思った」と吐露。
しかし「けど、良すぎて。漫画も脚本も。『これを他の人にやられるの悔しい』とも同時に思って、で、監督とお話してから考えさせてほしいって思って、監督とお話した」と不安と同時に作品への熱い思いが込み上げていたことを明かした。
涙で頬を濡らしながら
また、同作には喫煙シーンもあるということで、永野は撮影の3、4カ月ほど前からたばこを吸うようにしていたという。永野は「ニコチンとかタールが入っていないやつをスタッフさんが用意してくださったので、これなら挑戦できるかもと思って日常に取り入れていました」と告白。
続けてたばこについて「まずいんです。すっごくまずくて、後味があんまりよろしくない。たばこを吸う方ってご飯を食べても吸う、お酒を飲んでも吸うというイメージがあったので、ご飯を食べて吸おうとするとグッチャグチャになるんです、味覚が。慣れるまで大変でした」と打ち明けた。
さらにイベントの終わりには、観客に向けてメッセージを送る途中で永野が感極まって涙を流す一幕も。
永野は涙で頬を濡らしながら「私自身がこうやって自信を持って絶対に見てほしいって言える作品ができたことをすごく誇りに思いますし、それをきっと皆さんが感じてくれると思います。きっと今日ここに足を運んでくださった皆さんが帰る時にはなにか肩の荷が下りるような気持ちになる作品ができたと思います」と伝え、大きな拍手を浴びた。
◆取材・文=山田健史