尊敬するのは“アプローチの多さ”と“表情”
――中村さんの演技でハッとさせられたシーンはありますか?
大庭が羽男に「告白しました」と報告するシーンで、(羽男が)「うん」という一言だけの台詞があるんです。その一言でも、フッと笑いながら「うん」と言ったり、ナチュラルに「うん」と言ったり、あえて「うん」と言わなかったり。
僕は演じる上で正解を求めがちなんですが中村さんのアプローチの多さは勉強になります。
――では、有村さんは?
台詞がないときの表情にハッとさせられます。今、こういうことで石子先輩は悩んでいるんだな、とか苦しんでいるんだなというのが肌に直接伝わってくる感覚があって。第5話でいうと(大庭と石子が)一緒にいるときのちょっとした“モヤモヤ感”はすごく伝わってきました。
――第4話で石子が羽男を飲みに誘ったシーンでは、二人を見つめる切なげな大庭の表情が印象的です。やはり羽男へのライバル意識があったのでしょうか?
第1話で助けていただいたのもあって、(羽男に対して)尊敬する先生だという認識は変わっていなくて。なので、石子先輩が取られるんじゃないかというよりも、仲間に入り切れていない、自分じゃまだ力不足なんだという部分を表現したつもりです。
――石子とのシーンで印象に残っている場面があれば教えてください。
第4話で、石子先輩が「いってらっしゃい!」と言ってくれるのですが、大庭の恋心が確信に変わった瞬間だったなと思います。完全にキラーショットでしたね(笑)。
二人の距離感にもこだわりが「“今のままでいよう”と」
――告白のシーンも話題になりましたが、どのような心境で撮影に臨みましたか?
第5話で描かれたご近所トラブルの一件で“やっぱり恋愛っていいな”と思い、それに完全に乗っかって、ヒートアップしちゃった感じですね。石子先輩好きだし、仕事も就活もうまくいっているし、大人の恋愛も見れたし、全部そろったし行こう!みたいな。
――石子と大庭は第6話でお付き合いすることになりますが、その後二人のカップルっぽさはどのように表現したのでしょうか?
有村さんとも話したのですが、今の関係性の延長線上であるということが魅力だと思ったので、彼氏と彼女になったから距離をグッと縮めるのではなく「今のままでいよう」という結論に至りまして。
ただ、おうちに入ったりするシーンではガチガチになったり、そういう部分で二人のほほ笑ましさが見えたらいいなと思います。