いつまでたっても葵の想いに気づかない新
新は、わけがわからずポカン顔。りく(さとうほなみ)が「追いかけないと!あの子、傷ついたんですよ」と言っても、まだ葵の気持ちに気づいてない様子。「大事な子だと思ってるなら、1人で泣かせないで」と言われ、新は「しょうがないな」というような表情を見せ葵を追いかけた。
「社長、どんだけ鈍感なんだよ!」「な!じゃねーよ…」「りく、グッジョブすぎる」と、視聴者は新のとてつもない鈍感力に腹が立つやら呆れるやら…。葵に追いついた後も、泣きやまない彼女の「女として見れないんでしょ?」の言葉に「えっ!?」。これでもまだ気づいていない様子…。
事あるごとに頭ぽんぽんしたり、「葵が○○ならいいよ」「葵を信じてるから」と言うときの、彼女を見る新の目は妹を見る目だった。が、これまでの彼女の言動からほんの一瞬でも「もしかしてオレのこと…」と思わなかったというのは、国宝級の鈍感人間。優香に対する嫉妬も“お兄ちゃんを取られる妹”のそれだと思っていたのか…。いくら一人っ子で、女子とのかかわりは小、中学校止まりだとしても、あまりにも女のことがわかってなさすぎる。
葵の決死の告白に、新の返事は…
自分の気持ちにまったく気づく気配がない新に、葵は覚悟を決めて告白した。「好きです。愛してます、社長」。その後も何度も「愛してる」と言う葵。(本人的には)予想外すぎる告白に、わかりやすく動揺する新。家族に対する気持ちとかじゃなく、初めて会ったときからずっと好きだった、この気持ちは揺らいだことはない、という葵の涙の告白に、「龍二はオマエのことが好きなんだろ?」とトンチキな返しをする新。このとき、多くの視聴者が葵と同時に「龍二は今、関係ないでしょ!」と叫んだようだ。
「“長屋を継いで”と言ったのは、龍二の気持ちを利用した」と言った葵に「人の気持ちを利用するのは良くないぞ!」と、こんなタイミングで道徳を説くのもいかがなものか。「もう社長が嫌がることはしないから、今の私をちゃんと見て!」と訴える彼女に「10歳も年上」だの「仕事が忙しい」だの、典型的なお断りフレーズを次々に出し、さらに葵を傷つける。
最後に「私じゃ絶対にダメですか?」ときいた葵に対する答えは「オレを好きになるな」。完全に玉砕して、どしゃ降りの中、雨と同じぐらいの大量の涙を流しながら街をさまよう葵の姿に「これはつらすぎる」「自分の気持ちを言わずに“好きになるな”はズルい」「葵を泣かすな!」と、新は“葵派”と片想い経験のある女子の視聴者を一気に敵に回してしまったようだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部