彩女と一騎の歪んだ関係性が明らかに
一方、一騎は「『蝉時雨』は彩女の日記を基にして書いたものなんだ」と編集者の巡(淵上泰史)に漏らす。
一騎は純文学にあこがれ、教師を辞めて小説家になった男。しかし、自分にそれほどの才能がないことを自覚していて、学生時代の彩女の感性と美しさに衝撃を覚えた過去があった。関係が深まり結婚した2人だが、一騎の才能が花開くまで時間を要した。あるとき「お金は私が何とかしますから」と大金を手に帰って来た彩女に若干の恐怖心を抱いたような表情の一騎だったが、彩女が差し出した日記を基に小説を書いてみることを決意したのである。
これまで、夫に心を支配されているかのように描かれてきた彩女だったが、本当に操っていたのは彩女の方だったのだろう。夫に小説家として芥川賞を目指してもらいたいという思いがありながら、浮気をされ、雪女のように冷たく心を凍らせてしまった彩女。北と出会う前の夫婦の秘密が明かされた回となった。
北は「彩女さんの死を止めることができるのだろうか」と、その存在の大きさを改めて感じた。北海道へ行き、蟹を食べて、死ぬ。「その物語の結末を変えたい」と、旅の目的を変更することを決めたのである。
視聴者のSNSには「愛にはいろんな形があって正解がないから苦しいんだよね」「文学的で深く考えさせられる『雪女と蟹』大好きだよ」「毎週、見応えたっぷり」というドラマへの感想のほか、「彩女さん幸せになってもらいたい」「死にたい彩女さんを抱きしめて温めてあげられるの北さんだけ。死ぬ気で頑張ってほしいよ」など、北を応援する声も数多く寄せられた。