俳優の中川大志が9月13日、都内で開催された音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」制作発表会に、共演の松井玲奈、福本雄樹、浅利陽介、中村中、山内圭哉、池田成志、徳永ゆうき、作・演出を担当した倉持裕氏と共に登壇。初めての舞台で初座長を務める意気込みや、演じる役柄の印象を語った。
本作は、明治座、東宝、ヴィレッヂの3社から同じ年齢の男性プロデューサー3人が集まり、立ち上げた“三銃士企画”の第二弾で、「『リチャード三世』×昭和の歌謡界」をテーマにした、音楽、笑い、愛憎、お涙頂戴、勧善懲悪のスペクタクル感とケレン味満載の作品。初めてシェイクスピア作品に挑む倉持氏が、シェイクスピア屈指の人気作にして演劇史上もっとも有名なダーク・ヒーローを描いた「リチャード三世」を、生バンドの演奏で音楽劇として進化させる。
本格的な舞台に初挑戦で初座長を務める中川が演じるのは、醜い風貌と不遇な宿命を背負い、大衆芸能・歌謡界で悪逆の限りを尽くす主人公・鳴尾定。美貌の歌手・桜木輝彦となり歌謡界を席巻するも、破滅の道へ突き進む“昭和歌謡版リチャード三世”の姿を描く。
最初は仮のタイトルだと思っていた
初舞台にして初座長を務める中川は「出演者の皆さまと初めて顔を合わせたんですけど、久々に震えるくらい緊張しています」と心境を吐露。続けて「1年半くらい前から歌謡曲に向けたボイストレーニングが始まったりと、少しずつ準備をしてきました。そして今週から稽古が始まりますが、分からないことがたくさんあり、未知の挑戦になります。一生懸命、精いっぱい演じます!」と意気込んだ。
演じる役・鳴尾定、桜木輝彦の印象については「鳴尾は生まれつき顔も体も醜い状態で生まれてきてしまったので、鳴尾一族や世間から閉じ込められていたような男なんです。そんな鳴尾がいろいろな手段を使い、桜木輝彦に生まれ変わって復讐をしていくのですが、僕が台本を読んで想像しているのは、一方の姿がもう一方に影響を及ぼすのが、このキャラクターのテーマになってくると思っています」と話した。
また、舞台のタイトルに自身の名前が使われていることに対しては「最初は仮のタイトルだと思っていたので、本当のタイトルとして発表されてドキドキしています!」と目を丸くした。
宣伝部長が初仕事
さらに、橋本ミキオ役で出演している徳永は“公演宣伝部長”として同イベントに登場。中川から「宣伝部長とは一体何でしょうか?」と聞かれると、「いい質問ありがとうございます! 宣伝部長ということで、稽古場のお写真やオフショットを私が撮り、SNSで発信して貴重な姿を見ていただこうかなと思っております!」と説明した。
司会から、今回のイベントの様子は撮らなくていいのか尋ねられると「いいんですか? では、せっかくなので。私の初仕事ですね」と言い、出演者たちの写真を撮る一幕があった。
音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」は、11月6日(日)から11月30日(水)まで東京・明治座にて上演。その後、12月8日(水)から12月12日(日)に福岡・キャナルシティ劇場で、12月17日(土)から12月25日(日)まで大阪・新歌舞伎座で上演される。
◆取材・文=大野代樹