本作は人間が“どうしようもある”ホラー
──では最後に、改めて映画「“それ”がいる森」の魅力を教えてください。
相葉 いわゆる“Jホラー”とはまた違った映画で、僕は観終わったあとに爽快な気分になりました。内容をわかっている状態で完成したものを観たのですが、それでもドキドキするし驚かされる。そういうホラーの部分もしっかりありながらも、家族の温かい物語もあるし、子供達の学校のシーンもかわいくて。いろいろな魅力がある作品だと思います。
松本 タイトルを見て「“それ”って何だろう」と、いろいろ想像してから観ると思うのですが、いい意味で「そう来るか!」という面白さがあって。どの年代の方でも楽しめる映画になっていると思います。
中田監督 今回、僕はこの作品を「アクティブホラー」と呼んでいて。例えば映画「貞子」だったら消えたテレビに貞子が写っているように、今までの“Jホラー”では、幽霊が静かに佇んでいるというのが基本。幽霊に対して登場人物、人間はどうしようもなかった。だけど、今回はある意味“どうしようもある”。淳一は一也を、松本さん演じる絵里は受け持っているクラスの子たちを、“それ”から守る。そのアクティブさが魅力かな。「じめっとしたホラーではないよ」ということは言っておきたいですね。
■取材・文/小林千絵