10月21日(金)全国公開の劇場アニメ「ぼくらのよあけ」で、三浦大知が主題歌を担当する。本作は、西暦2049年という未来の団地を舞台に、主人公の悠真ら小学生たちが「二月の黎明号」と名乗る宇宙から来た存在と出会うことから始まる、ひと夏の冒険を描くジュブナイルSF。連続テレビ小説「ちむどんどん」主題歌でも話題の三浦に、作品に寄り添った主題歌の在り方を聞いた。また本作のメッセージを「誰かとつながることの大切さ」と見て主題歌「いつしか」を歌ったという三浦。自身にとって大切なつながり、小学生時代に所属していたFolderの思い出や、現在の活動の礎となった家族との思い出も語ってもらった。
三浦大知が感じた「ぼくらのよあけ」の魅力
──原作コミックも読まれていたとのことですが、三浦さんの思う「ぼくらのよあけ」の魅力はどのようなところでしょうか?
宇宙を題材にしつつも、一大スペクタクルのようなものではなくて、キャラクターたちがミッションに向けてどう向かっていくのかが描かれていますよね。その、宇宙という壮大な存在と、人々の日常や心の動きという身近なものが同時に描かれているところにとても惹かれました。
──三浦さんも、主題歌「いつしか」の作詞作曲を手がけたNao’ymtさんも宇宙がお好きで、いつか一緒に宇宙をテーマにした作品作りをしたいとお話ししていたそうですね。宇宙や宇宙を題材にした作品のどういうところに惹かれますか?
深海などもそうですが、知らない場所、前人未到なエリアって、「知りたい」「見てみたい」という好奇心や欲みたいなものが働く感じがします。「ぼくらのよあけ」も、映像がすごく綺麗なこともあって、見ているだけですごくワクワクしました。
子どもと親という2つの視点から描かれた楽曲「いつしか」
──主題歌の制作にあたり、Nao’ymtさんとは制作段階からお話をされていたのでしょうか?
Naoさんとはもうずっと一緒に制作をさせていただいているので、「こういう曲がいいです」とか「こういう感じで」ということは言わずに、基本お任せでお願いすることが多くて。Naoさんが作ってくれた最高の1曲を、自分が表現者として表現するというスタンスでやっています。「いつしか」もそうで。今回は「ぼくらのよあけ」という原作と映画作品があるので、そのうえで、Naoさんに三浦大知というプラットフォームを使って思うままに作っていただいた形です。
──ではNao’ymtさんから上がってきた「いつしか」を初めて聞いたときはどう感じましたか?
楽曲で描かれる景色は僕が感じたものと同じでした。また、子どもと親という2つの視点から描かれているところもすごくいいなと思いました。自分自身の幼い頃の記憶にも響きましたし、自分にも子どもがいるので、我が子を見て思うことにもリンクするところがあって。Naoさんの言葉の選び方ひとつとっても、この作品の世界をとてもよく表していて素敵な楽曲だなと思いました。
──ライブなどで歌うときはどういう意識で歌うことになりそうですか?
楽曲をフルで聞いていただくとよりわかると思うのですが、最後のパートは点火プラグに火がついて、ロケットがゴーッと打ち上がっていく、煙がワーッと出てカウントダウンに入っていくあの瞬間を表現していると思うんです。宇宙に飛び立っていく瞬間の臨場感が表現されているので、飛び立ったロケットが小さくなっていく様子を思い描きながら歌うんだろうなという感じがします。