コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、男子高校生がドレスを着て文化祭に出る姿を描いた壱原ちぐささんの漫画「ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話」。9月17日に投稿されたツイートには、5万いいねを超える反響が集まり、「性別の関係なさがナチュラルに描かれてるのいい」「とても刺さった」「好きと向き合って貫くことを教えてくれた」「続きが読みたい」などといった反応が相次いだ。作者の壱原ちぐささんに話を伺い、創作の裏側などを語ってもらった。
「ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話」のあらすじ
男子高校生の伊織は、ある日、学校のミスコンで優勝した服飾科の久世先輩から「服の声が聞こえてるね?君に着てほしい服があるの」と声をかけられる。
「この服を着こなしたら素敵だと思う」と言って久世先輩が見せたのは、女性もののドレス。「俺に女装してって言ってますよね?」と最初は戸惑う伊織であったが、久世先輩からの言葉や幼少期の出来事を思い出して…というストーリーが描かれている。
作者・壱原ちぐささんへのインタビュー
――「ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話」は5万いいねを超える反響です。ここまでの反響となったことについて率直な感想をお聞かせください。
たくさんの人に見ていただけてうれしいです。2年くらい前の作品だったので、もう読まれる事はないかなと思っていました。
――「ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話」の創作のきっかけをお聞かせください。
友人から聞いた以下の話がとても印象に残っていました。「昔、父がテレビを見ながらポロッと『息子がいたらキャッチボールがしたかった』と言っていたのが心に残っていた。自分に直接向けられた言葉ではなかったけれど、自分ではその想いを叶えてあげられないという事に不思議な感情が湧いた」。この、解決できない感情がとても魅力的に感じたので、視点を変えて漫画にしてみたいと思いました。
――「ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話」に込めた思いがあればお聞かせください。また、この作品を通して、読者に伝えたいことはありますか。
親の中に小さな理想は色々あるかもしれないけど、親が一番望んでいるのは、子供に健やかに前向きに生きてほしいということだと思いました。元々そういったメッセージを込めて描こうとしていたのではなく、この漫画を描くことで私自身が気付いたことです。キャッチボールにせよ、ドレスにせよ、それは「子供が健やかに育って、親と子供が良い関係でいること」の象徴なんだと思います。自分らしく健やかに生きていく事が自分にとっても、親へのお返しとしても、一番良いんじゃないかと思ってこのラストにしました。
――今後の目標や展望があればお教えください。
今、「週刊少年サンデー」で初めての連載、『朱月事変』(あかつきじへん)という漫画を描いています。考えてみれば、この作品も親と子を一つの軸にして描いているなと思います。まだ始まったばかりですので、一人でも多くの人に読んでいただけたらうれしいです。
――作品を読んでくれている読者やフォロワーにメッセージがあればお願いします。
いつも漫画を読んで下さって有難うございます。もっと精進していきますのでよろしくお願いします!
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発売日: 2022/03/07