一方、息子の大地は就職活動がうまくいかず、挫折を味わっていた。就職活動のかたわら、片手間でこはぜ屋の手伝いをしながらも、将来性のない足袋屋は継ぎたくないと紘一に反発する大地。
だが、紘一をはじめ従業員たちの不屈のチャレンジ精神と、“陸王”シューズに不可欠な特殊素材“シルクレイ”の生みの親・飯山晴之(寺尾聰)の情熱に触れ、次第に働くことやものづくりの面白さに目覚めていく。
最終回の“涙”で瞬間最高視聴率23.1%
ドラマ撮影当時、「この業界ではない友達がちょうど昨年就職活動をしていたので、就職どうしようかなというリアルな話を聞いたりもしていた」と語っていた山崎。「大地と同じ23歳なので、今感じている難しさを大地に投影していけたらと思っています。悩んでいる人にこそ見てほしい、見たら絶対に熱くなるドラマです」と作品に込めた思いを語っていた。
そんな山崎の言葉通り、大地はなかなか就職先が決まらずいら立ちながらも、飯山とシルクレイ製造に没頭したり、シューズのアッパー素材を求めて東奔西走したりと全力投球。なんとしてでも世界一のシューズ“陸王”を完成させたい一心で、数々のピンチを乗り越えていく。その等身大でひたむきな姿が、役所や寺尾といったベテラン陣に胸を借りて演技に真っすぐ向き合う山崎自身に重なる。
多くの視聴者を感動の渦に巻き込んだ「陸王」。放送時の視聴率も右肩上がりで、最終回では、自己最高の20.5%を記録。最終回の瞬間最高視聴率23.1%をたたき出したのは、就職活動に区切りをつけた大地が父・紘一の言葉に涙を流したシーンだ。
「陸王」で、まだ何者でもない大地が夢を見つけていく過程をフレッシュに演じた山崎。「アトムの童」で見せる、大きな壁に全力で立ち向かうエネルギッシュで自信家の主人公・那由他とのギャップを楽しんでみてはいかがだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」
※記事内の視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区