木村拓哉のコメント
――「風間公親-教場0-」の連ドラ化決定を受けていかがですか?
過去のSPドラマではまだ描いていない原作のエピソードや、まだ描いていない風間というのがあったので、視聴者の皆さんからの“続編を見たい”という気持ちが今回につながったのはうれしかったです。ただ、1作目、2作目は警察学校の中での話を作らせていただいた中で、今回はなぜ“風間公親が警察学校の教官になったのか”というエピソードを作ります。あの“教場”という特別な空間である、警察学校の中だからこそ成り立っていた風間公親という存在が、皆さんが行き交う一般社会の中にいる場合、この描き方が難しいなと思っていたんですが、そこは中江監督といろいろと話をして、詰めている途中です。
今回の連ドラ化は思い切った試みだとは思うんですが、お正月早々“こんなのをやるの?”と違和感を抱かれていた今までの「教場」を、また今回は違う違和感がある場所、その曜日のその時間帯(月曜夜9時)で、“こういうのをやって大丈夫なんですか?”という作品を作ることになると思うので、いろんな意味で皆さんに驚いていただけたら面白いかなと思っています。
――これまでの「教場」シリーズを振り返っていかがですか?
「教場」1作目の時は、あの作品を作ること自体“本当にやるの?”っていうテンションでしたし、しかもそれを年明けのみんながお正月気分でぽわ~んとなっているとき、さらには世の中の教育の流れとは全く真逆の方向性のものを放送して大丈夫なのかな?と、話しながら監督と一緒に作っていました。
2作目の時は、1作目に出ていた198期の生徒が、それぞれ各芸能プロダクションに所属している俳優さんであるにも関わらず、2作目の生徒の撮影現場に来てくれました。そこで制服を着て、先輩として所作訓練に参加してくれたり、1作目も2作目もチームで力を注いだ挑戦となりましたが、今回はそれ以上に大きな挑戦だと思いますし、そうじゃないとダメだと思いますね。
――今作で演じる風間公親は“教官”ではなく“刑事指導官”となりますがいかがですか?
風間公親が、コンビニや繁華街など、皆さんが生きている生活空間とつながる、生徒の前にいるのではなく、実際の事件の前にいる。その点では、警察学校を描いた1作目と2作目とは、風間の後ろの背景が全く違ってきます。
仮の段階の台本にも目を通しているんですけど、目を通せば通すほど、監督と会って“こうしない?、ああしない?”というところがボロボロ出てくるんです。自分からもアイデアが湧き起こるんですけど、1作目、2作目のスタッフと一緒に今回も作るので、あの空気感というものはすでに共有できているし、それが警察学校という舞台から、外の世界に出たときに、僕だけではなく、監督やずっと一緒に作ってきたスタッフと一緒に外に出るので、そこで湧いてくるアイデアやイメージはひとつも無駄にならないですよ。
――今作を月9枠で放送することについていかがですか?
連続ドラマって、毎週の放送に追われながら、並行して現場で制作していくのが通常なんですが、この作品は十分な準備をして、前もって撮影をスタートさせます。月曜9時の、その空気は自分も吸わせてもらったことがあるんですけど、ちょっと大げさな言い方になってしまうかもしれませんが、“フジの月9”っていうあの空気は、今回全部入れ替わると思います。