妻夫木聡が、11月18日に都内で開催された主演映画「ある男」の公開初日舞台あいさつに登場。安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、小籔千豊、坂元愛登、石川慶監督と共に初日を迎えた感想や、撮影当時のエピソードなどを語った。
同映画は、第70回読売文学賞を受賞した平野啓一郎氏のベストセラー小説が原作。主人公の弁護士・城戸章良が、“ある男”の真実に迫っていく、衝撃と感動のヒューマンミステリーだ。妻夫木が城戸を演じ、城戸に夫の身元調査を依頼する谷口里枝を安藤が、里枝の夫であり「大祐」として生きた“ある男”を窪田が演じる。
妻夫木「わが子が巣立っていくような感じ」
初日を迎えた感想を、妻夫木は「本当に感慨深いですね。初日ほどうれしいことはないですし、なんていうかわが子が巣立っていくような感じなんですよ。うれしくもあり、少し寂しい気分もある。やっぱり映画はお客さんに見てもらって初めて完成するものだと思っているので、本当に今日はうれしいです」と万感の表情でコメント。
本作では安藤&窪田と海外の映画祭や取材などの宣伝キャンペーン活動に多数参加してきたそうだが、その期間を振り返って「特に窪田君は共演シーンが一つもないんですけど、現場よりよっぽど会っていて、宣伝活動を通して窪田君を知るという…不思議な体験をしました(笑)。いろんな国に行かせていただいて、日本の方々とは違う反応がすごく面白かったです。イタリアの方々は見終わった後にすごく笑いが起こって、釜山ではいっぱい盛大な拍手を頂いて、この作品が認められた証拠だなと感じました」と回顧した。
また、タイトルにかけて「最近気になっているある○○について」という質問に、妻夫木、安藤、窪田が代表して答えることに。トップバッターに指名された窪田が「何だろう…あります?」と答えが出せずに困り果てていると、小籔からの“助け舟”があり、「一番気になるのは奥さんということで(笑)」と、照れながら“言わされている感”満載の回答を。
安藤「あれはどうなっているんだろう」
一方、安藤は「本当に気になっていることがあって、(撮影時の)妻夫木さんがInstagramを始めたばっかりだったんです。いろんな写真を撮っていて、一回だけ私にもカメラを向けてくださったんですけど、私は照れくさくて変な顔をしちゃったんです。あれはどうなっているんだろうって。妻夫木さんの撮った窪田くんのめっちゃいい写真はInstagramで見るんですけど、私のあれはどこにも載せられないような写真だったのかな?(笑)」と恐る恐る、妻夫木カメラマンに疑問をぶつける。
すると、妻夫木は「実は今日、 (インスタに)サクラちゃんの写真を載せようかなと思って、(当時撮ったのが)3枚あるんですけど、ちょうどその写真を見ていたの。だけど、何かを食べているときに俺が写真を撮ったからか、“ムホッ”ってなっているのしかなくて(笑)。さすがに女優さんのムホッ顔を載せるわけにはいかないよなって」と、真相を明かす。
続けて妻夫木は「当時、何でサクラちゃんの写真をあんまり撮れなかったのかというと、サクラちゃんが『私ね、やっぱりこの仕事向いてないと思うの。久しぶりに入ったけど、これで終わりにしようかなって思うんだ』って言ってたんですよ。『うわ、とんでもない作品で一緒になっちゃったなって。これで引退になっちゃうんだ!』って思っていて。だからむやみにカメラとか向けちゃいけないだろうなって。撮影が終わってあれから1年半たって、何となくテレビを見ていたら、『次は安藤サクラ主演!』というのを見て、普通にやっているじゃん!って(笑)。(夫の柄本)佑とプライベートで会って『あれ?サクラちゃん辞めるって言ってたけど…』って聞いたら、『全然仕事してますよ!』って言っていて、何だったんですかあれは?」と、苦笑いで質問。
途中から笑いながら聞いていた安藤は「あれはすごく不安な状態で現場に入って、初日から監督の演出でボロボロになっていて、自信を喪失しまくった状態で…。久しぶりの現場で、無理だって思ってたんですけど、日数を重ねていったら、やっぱり現場が大好きだ!ってなって。自信がなくても現場に行けるなら続けていこう!……って思えた作品です」と、悪びれもせず告白した。
それを受け、妻夫木は「ビックリしましたからね。どんよりした顔で言われたら写真撮れないですよ。さすがに」と今だからこそ言えるとばかりに、ホッとした表情で語った。