小栗旬が主演を務める大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第45回「八幡宮の階段」が11月27日に放送された。この回でこの世を去ることとなった三代将軍・源実朝を演じた柿澤勇人がコメントを寄せた。
「父(頼朝)や兄(頼家)のところに行けるんだ」という思い
――源実朝の最期を演じてみていかがでしたか。
実朝は今まで鎌倉殿・三代将軍として生きてきて、大変なことがいっぱいありつつも、一生懸命、果敢に取り組んで政(まつりごと)にもちゃんと向き合ってきました。うまくいかなかったりとか、悩んでいたり、苦しんでいたりしたものも、最期にはある意味、すべてを受け入れて。政以外にもおばば(歩き巫女)に言われていたことなどが、一気に走馬灯のように頭の中を駆け巡り、すべてを理解したというか。「これで天に行けるんだ」じゃないけど、「父(頼朝)や兄(頼家)のところに行けるんだ」という思いはありました。
役者としてはすごく幸運なことだった
――源実朝の人生についてどのように思いますか?
生まれた環境や時代がもし違っていたら、ものすごく良い将軍だったと思うし、将軍であること以前に、ものすごくピュアでまっすぐな良い人で。現代にも通じると思うんですけど、「こういう人が本当に生きていたらいいな」と思うような心の持ち主だったのかなと思います。ただ、残念なことにこの鎌倉の時代に生まれてきて、環境がたまたまそういった激動の陰惨な環境だったりもするので、そこがやっぱり悲劇というか、とてもかわいそうな人生だったなと思います。
ただ一方で、僕はやっぱり役者なので、芝居をやっていて苦しいとかしんどいなというのはかなり多かったし、実際、撮影を経ていくとだんだん顔がやつれていって、体重も落ちていきました。それは自分でも如実に分かっていて、でもそれは役者としては本当にありがたいことで、すごく矛盾しているかもしれないですけど、その実朝の苦悩みたいなものが、役者としてはすごく幸運なことだったというのは、最期のシーンを経て思いました。
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