演出家としてはぜいたくで幸せな時間だなと感じます
――映像化において手応えを感じていることはありますか?
自分の妄想を形にさせていただいているという感覚ではあるので、演出家としてはぜいたくで幸せな時間だなと感じます。1期の放送で反響をいただいたということは、僕たちのアプローチが間違っていなかったというふうに感じることができましたし、2期も3期もそのアプローチの仕方は変えてはいけない部分だと感じています。最初にこの企画が始まった時の思いを忘れずに取り組む、というのは我々制作チームの合言葉でもありました。
――「ジャンケン小僧」をドラマに落とし込む上で大変だったことを教えてください。
一つは身体的な動きです。原作では空を飛ぶなどのコマがありますが、そういった部分を映像の中で表現するのにこだわり過ぎてしまうと荒唐無稽になってしまうと思います。なので、僕自身は原作のコマ割りや絵の力にあまり引きずられないようにと意識していました。原作のストーリーの中で描かれていることを、現実の人間のお芝居に落とし込んでいく時にどこまでそれを再現できるのか、ということは細かく検証をしました。ジャンケン小僧と露伴のやり取りでは、ちょっとした語尾の言い回しなどを少しだけ変更することで、現実の世界では違和感を覚えてしまう部分を緩和するように心がけています。
僕たちの中では“シリーズ最強の敵”と呼んでいます(笑)
――3期でゲスト出演する古川琴音さんと柊木陽太さんの魅力などをお聞かせください。
古川さんが演じるイブは、僕たちの中では“シリーズ最強の敵”と呼んでいます(笑)。今までも露伴は数々の危険に遭遇していますが、イブに関しては命の危険にさらされますし、イブは何かに取りつかれているとか不思議な力を持っている訳ではないので、生身の人間に追い詰められていく露伴、というのがこのエピソードの肝なのかなと感じています。愛情や嫉妬、そこから出てくる狂気みたいなものを古川さんが的確に表現してくださったので凄みのあるイブちゃんになっていると思います。
「ジャンケン小僧」をやると決まった時に、ジャンケン小僧を演じられる役者さんが見つからなかったら諦めようという話をしていました。いろいろな方とお会いする中で、柊木さんはどっしりとしていて僕よりも落ち着きがあるなと感じて、柊木さんが演じることでじわじわと迫って来る怖さを表現できるかなと思ってキャスティングさせていただきました。柊木さんに出会えたことで「ジャンケン小僧」をやろうという覚悟ができました。
TCエンタテインメント