周りの方々が活躍するというのもドラマの魅力だと思います
――野村さんから見た今回の家康像の魅力をお聞かせください。
古沢さんが考えた家康像ではあると思いますが、いろいろな「どうする?」といった場面に家康が遭遇した時に決断をしなければいけない中、ある意味、決断していないようにも感じます。自分から打って出るというよりは、周りに助けられながら流れに身を任せるといった部分があるなと感じました。家康が「どうする?」と決断を迫られるシーンで周りの方々が活躍するというのもドラマの魅力だと思います。
――家康のリーダー像についてどのように捉えていますか?
世の中が激動の時代から安定の時代になるというのは、今我々が直面している問題にぴったりかなと思います。価値観が入り乱れる中で大きなリーダーがいる、そういう意味で徳川家康の大きさというものがドラマを通じて再評価されるといいなと思います。
私の中ではパワーとカリスマ性でリーダーになっていた信長や秀吉の方が身近に感じています。ただ、今回のドラマを通じてなだらかに中長期的な視点で物事を考えるリーダー像である家康がこれからヒットする人物になるのではないかと感じています。
父親のような大きさを見せようと心がけました
――役作りをする上で意識した部分はありますか?
(家康の)父親代わりということで、父親のような大きさを見せようと心がけました。実の息子である氏真に厳しい事を告げる非情な部分もあって、国を治めるという立場になればそういう一面もあるのかなと感じました。
個人の尊厳を大事にする現代とは少し異なり、義元は理想的な国家を作るということを大事にしていたと思います。泰然自若として信念を持っている、武力とはまた違うカリスマ性を見せないといけないなと感じていました。戦いに臨む前に舞うシーンはその象徴として描かれたシーンだと思いますし、今川義元が背負っているものは何か、ということが見えるようなシーンになったらいいなと思います。