3月24日(金)に、沢村一樹主演のドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」(夜8:00-9:48、テレビ東京系)が放送される。同作は、過去にある事件で妻を殺害された元刑事・獅子舞亘(沢村)が「連続誘拐事件」の真相に迫るヒューマンサスペンス。事件の容疑者とされる解離性同一性障害(DID)の青年・元村周太役には竹内涼真が配役されている。
WEBザテレビジョンでは、獅子舞の娘で、母親を亡くしたトラウマから元村と同じ解離性同一性障害(DID)を抱える獅子舞音役の畑芽育にインタビューを実施し、DIDへの向き合い方や役作り、共演者の印象、これから目指す俳優像などについて聞いた。
「何回読んでも自分がうまく演じている想像がつかなくて…」
――台本を読んだ率直な感想をお聞かせください。
難しいだろうなという…。やはり実際にその症例に苦しんでいる方々がいるので、それを私が演じ切れるものなのだろうかという葛藤はすごくありました。撮影前の早い段階から台本をいただいていて、何回も読み返していたのですが、何回読んでも自分がうまく演じている想像がつかなくて、それがすごく大変でした。
――獅子舞音の人物像を教えてください。
DIDというのは音にとっては人生の中で大きな壁になっていると思うのですが、お父さんとの普段のやり取りや彼女の性格を考えていくと、音は別の人格になっている時の記憶がないとはいえ、すごくうまく生活しているように思えて。
それは簡単なことではないですし、きっと音の中でもすごくいろいろな問題もあって、難しいところもあったと思うんです。でも、高校生ながらに自分の症例と向き合って等身大で生きようとする部分が見えたので、演じる上でそこを意識して、素直な女子高生でいられるようにしました。
――音は自分の症例としっかり向き合い、前向きに生きようとしているのですね。
そうですね。普段は純粋な女子高生で、元気いっぱいで反抗期で思春期で…という17歳らしい17歳を演じられるように意識しました。
振り切った芝居で、新境地へ
――監督や周りの方から、何かアドバイスは受けましたか?
監督には聞きたいことはたくさん質問させていただいて、相談しながら演じました。悩むこともたくさんあったのですが、全部うまく返してくださって、私の中の絡まった糸をほどいてくれるような助言をしてくださるので、すごく助けられました。
全体的にどうしたらいいのかなとずっと思い悩んでいたのですが、キャストの方も含めて、スタッフの方々からも「思い切りやっていい」と助言していただきました。
今までの自分の作品を振り返ってみても、振り切ったお芝居をすることはそんなになかった印象が自分の中であって、だから今回この作品ですごく学ばせてもらうことも多かったですし、ひと皮むける、大きな一歩となる作品になったと思います。